地方自治法が施行されてから60周年を記念した硬貨
日本の各都市の歴史を紐解くと、その多くは城下町であったり港町であったり、その多くが昔から人が集まる場所であったことが分かります。日本の都市は何か核となるものがあり、その核から広がるように街が発展してきました。
では、宮崎県の県庁所在地である宮崎市の核とは何でしょうか。実は、宮崎市は日本全国で唯一明治に入ってから発展をはじめた街です。廃藩置県が行われたときの宮崎市は、現在の宮崎県北部にあたる美々津(みみつ)県と南部にあたる都城(みやこのじょう)県の県境であり、いわば辺境の地でした。その後、この2県が合併し宮崎県が発足するときに県庁がおかれたことから、宮崎市が発展していきます。言うなれば、宮崎市は宮崎県庁を核として発展してきた街といえるでしょう。
また、宮崎県は日本神話の天孫降臨の舞台でもあります。北部の臼杵地方にある高千穂の町では、現在でも神話を伝える神楽演舞が踊り継がれています。かつて「高山を 通りて行けば 面白し いつも絶えせぬ 御神楽の音」とうたわれた高千穂の神楽は、宮崎の人にとって欠かせない年越しの行事です。
地方自治法施行60周年記念貨幣(宮崎県) 1000円銀貨幣
神様に捧げる歌舞である神楽は日本全国の神社に伝わっており、その多くが国の重要無形民俗文化財に指定されています。そのうちのひとつである、宮崎県高千穂町の夜神楽はほかの地域の神楽とは異なり、古代日本の狩猟採取や農耕文化の名残を留めつつ、修験道や陰陽道、果ては仏教や国学など日本らしい文化を自然と取り込んだ神楽です。
毎年11月からはじまる高千穂の夜神楽は、去りゆく年の恵みに感謝し来る年の豊作を祈願するものです。実に33種の壮大な演舞は日本神話の再現であり、見る者を圧倒する迫力に満ち溢れています。
発行年 | 平成24 |
図柄(表) | 宮崎県庁本館と高千穂の夜神楽 |
図柄(裏) | 雪月花 |
素材 | 銀 |
品位 | 純銀 |
量目 | 31.1グラム |
直径 | 40mm |
地方自治法施行60周年記念貨幣(宮崎県) 1000円銀貨幣買取価格
地方自治法施行60周年記念貨幣(宮崎県) 500円バイカラー・クラッド貨幣
現在の宮崎県庁本館は、1932年に建てられた2代目の建物です。現役の都道府県庁舎としては全国でも4番目に古く、平成29(2017)年には国の重要文化財に指定されました。ネオ・ゴシック様式を取り入れた垂直性の強いスタイルによって、建物全体に伸びやかな印象があるのが特徴です。
また、正面の前庭には県木のフェニックスをはじめとした、南国宮崎らしい木々が植えられており、来庁者を迎えます。昭和レトロを感じるたたずまいから、近年では多くの観光客で賑わう宮崎の新たな観光地となっています。
発行年 | 平成24 |
図柄(表) | 宮崎県庁本館 |
図柄(裏) | 古銭のイメージ |
素材 | ニッケル黄銅、白銅及び銅 |
品位(千分中) | 銅750、亜鉛125、ニッケル125 |
量目 | 7.1グラム |
直径 | 26.5mm |