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金の価格が安い国は?賢く金を買う方法

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高い電気伝導率を誇る金は、数多くの工業製品に活用されています。
スマートフォンやパソコンのようなIT機器はもちろん、電気自動車や冷蔵庫など身近な電化製品には大抵、金が使われています。

また、その美しさや希少性から宝飾品や通貨としても使われ続けてきました。
最早、人類は金なしでは生活できないと言ってよいでしょう。

最近では、安全資産として価値に注目が集まり、多くの投資家から熱い視線を受けています。
そのため、金は投資用や工業用を問わず高い需要があり、世界中で取引されています。

なかには、日本よりも税金や取引手数料がかからない分、はるかに低額で購入できる国や地域も珍しくありません。
この記事では、金を安く購入できる国を紹介するとともに、現地で購入するときの注意点を解説します。

1. お得に金を買うならココ!価格が安い国

結論から言えば、金の取引相場は全世界共通です。
ニューヨークやロンドン、香港などの金取引の相場が世界中に反映されるため、どこか特定の国だけ取引相場が安いということはありません。
そのため「安く購入できる」のは、金そのものの価格が安いのではなく、取引時にかかる税金や各種手数料のほか、輸送費などがかからないことによるものであることに注意しましょう。

■ アジアのおすすめの国

アジア圏で金を安く購入するためには、金の購入時に手数料や税金が求められない国を選ぶとよいでしょう。
特に、シンガポールは国を挙げて世界中から投資を呼び込むために数々の金取引に関する優遇措置を取っています。
まさに金の購入場所としては最適と言える国でしょう。

シンガポール
アジア圏で最も金をお得に購入するならば、シンガポールが最適でしょう。
シンガポールは、日本とは異なり金の購入に税金がかかりません。

そもそもシンガポール自体が、贈与税や相続税などの税金自体が制度的に存在しなかったり、あっても非常に安い国であることから、多くの投資家が注目する国です。
政府がビジネスや投資に適した環境を整えていることも、金の購入場所としての魅力を押し上げる要因となっています。

また、シンガポールはゴールドアクセサリーが盛んに売買されている国です。
市場で売られているアクセサリーには、やや純度が低い金が用いられていますが、それでも同じような品物を日本で買うときよりも60%から70%の価格で購入できます。

ドバイ
ドバイのディラ地区にあるゴールド・スークは、何百もの宝飾店が軒を連ねており、この市場全体に展示されている金の量は、実に10tとも、25tとも言われています。
それほどまでに、ドバイの金市場は巨大であり、政府もまた金の取引には積極的です。

ドバイで消費税の非課税対象となるのは純度が99%以上の金に限られますが、それ以下の純度の金であっても海外からの旅行者に限っては、支払った税金のいくらかが返金されるなど、国を挙げて金取引を積極的にするための措置を取っています。

台湾
「シンガポールはちょっと遠い」という人には、台湾がおすすめです。
日本から航空便が数多く発着しており「行きやすい」国であるということも理由ですが、台湾では宝石店やデパートだけではなく、銀行などさまざまな場所で金を購入できるということも理由です。

また、先の2か国同様に金の購入は非課税であることも、購入場所としての魅力でしょう。

ただし、台湾からの金の持ち出しには制限があります。
2万米ドル以上の金を持ち出す場合は、金融規制やマネーロンダリング防止ために持ち出しの申告が求められています。
申告なく持ち出そうとした場合は、密輸として扱われるため注意しましょう。

■ アジア以外のおすすめの国

アジア以外で金を安く購入することを考えるならば、金の産出国に行ってみましょう。
産出国ならば輸送費などがかからない分、日本で購入するよりも安く購入できる可能性があります。
また、大量生産している国であれば、より低価格で購入できる可能性もあるでしょう。

オーストラリア
オーストラリアは中国に次ぐ世界第2位の金の産出国です。
中国は産出した金のほとんどを国内で消費しているため、実質的に世界中の金需要を満たしているのはオーストラリアと言っても過言ではないでしょう。

国内各地に金鉱山を有しており、その埋蔵量は将来的に中国を凌ぐとも言われています。
加えて、大規模な露天掘りによる採掘コストの低さも見逃せません。
これらの理由から、オーストラリアは比較的金を安く購入できる国といってよいでしょう。

また、オーストラリアは、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストリアのウィーン金貨と並ぶ世界三大金貨の1つカンガルー金貨の発行元です。
金鉱石や金地金、金貨などさまざまな形で金を購入できるのは世界有数の産出国ならではの強みでしょう。

南アフリカ共和国
現在は順位を落としていますが、南アフリカは1970年代初頭には世界の金の産出量の7割を占める世界最大の金産出国でした。
往時よりは産出量も減りましたが、それでも世界第9位の産出量を誇ります。
ただ、採掘深度が3,000mを超える鉱脈も多く、それに伴って消費電力や鉱夫たちの負担も増えており、今後も南アフリカの産出量は減ることが予測されています。

現在の南アフリカはプラチナ鉱山の開発に力を入れており、新規の金鉱山の開発には消極的です。
そのため、売れ残りの金鉱石などが底値で取引されていることも少なくありません。
ただし、これらの鉱石は純度が低いため放棄されたものが多く、投資的な価値はほとんど存在しないことには注意が必要です。

コロンビア
南米のコロンビアは、もともとは世界最大のエメラルドの産出国です。
その採掘に関するノウハウをいかして、近年は金の産出量を増やしてきています。

コロンビア政府は2030年までの輸出量を70tにすることを国家的な目標としており、国内での鉱山開発を次々と行っています。
今後しばらくはゴールドラッシュの状態が続くと見られており、投資家にとって今熱い国の1つといえるでしょう。

ただし、コロンビアは南米でも随一の政情不安国家です。
政府と反政府組織の対立が続いているほか、マフィアやギャングなどの地下組織の活動も活発な国家であるため、金を購入する目的で渡航するならば十分すぎる注意が求められます。

2. 金価格が結果的に高くなる?その理由と注意点

金を海外で買付けて自分で日本に運ぶとすると、届くまでの輸送コストや取引に関する手数料などがかからない分、いくらか安く取引ができるように思えます。

しかし、実際はそう上手く事は進みません。
現地で買う方が日本で買うよりも、結果的にはるかに割高になってしまう可能性は十分に考えられます。
海外で安く買って、日本で高く売る、というのは、あまり現実的ではないと理解しておきましょう。

■ 運送費や手数料などが別途かかる

現地で買い付けるのであれば、自分が買いに行くための渡航費や渡航先での滞在費などが当然必要となります。
加えて、日本に持ち込むときの輸入関税も無視できません。
これらの「金」本体以外のところが高額になってしまい、結果的に利益が全くないということも十分に考えられます。

また、購入時に消費税や所得税はかからなくても、手数料が必要となることもあります。
銀行や宝飾品店などで金を購入する場合、店頭での表示価格以外に購入するための手数料を求められることもあります。
この手数料は店舗や国によって異なるため一概には言えませんが、決して安くはありません。

■ 為替レートの影響を受ける

海外での物品の購入において最も大きく影響するのは、やはり為替レートです。
海外で購入して日本に持ち込む、つまり輸入する場合、海外通貨に対して日本円が安くなる円安の状態になると不利になります。

たとえば、現地では1ドルで金が1g購入できるとしましょう。
1ドルが100円の為替レートなら100円で購入できますが、1ドルが120円と円安になると、結果的に20円も余分に出さないと同じ量の金が購入できないことになります。

加えて、両替するときの為替手数料も加味しなければなりません。
多くの銀行では日本円を海外通貨に両替するとき、その両替先の通貨1単位につきいくらかの手数料が必要です。

たとえば、アメリカドルは1ドルにつき1円、イギリスポンドは1ポンドにつき4円の手数料を支払わなければなりません。
金を購入するとなると、それだけ予算も必要となるでしょう。
単純に手数料の額も増えてしまうため、注意が必要です。

3. 海外で金を買う前に!知っておきたい注意点

金の売買について日本は厳しい規制があります。
各種証明書の発行や取引に関する口頭説明の義務付け、取引額に応じた納税など、売る側にも買う側にも数々の制約が課されています。
逆に、これだけ厳しい法規制があるからこそ、日本市場の金取引は世界でも安心と安定を勝ち得ていると言ってよいでしょう。

しかし、国が変われば法律も変わります。
海外で金を購入するときに日本と同じように考えていると、痛い失敗につながりかねません。
出国の前に現地の情報を確認することは当然のこととして、それ以外にも海外に金を買付けに行くことのリスクを確認しておきましょう。

■ 金の質が不安定な場合も

現在、世界中で金の需要が高まっています。
投資はもちろんのこと、工業製品にも多用される金は世界的に品薄状態が続いており、ここ数年の取引金額は上昇傾向です。
そのため、少々純度が低くても問題のないアクセサリーは、純金よりも金の純度が75%程度のK18やそれ以下の純度の金が使用されることも珍しくありません。

日本ではアクセサリーや投資など用途を問わず、使用している金の純度については、表示することが義務付けられていますが、海外ではそうではありません。
高純度の金だと思って購入したら、粗悪なものであったということは決して珍しくないトラブルです。
店舗が掲げる鑑定書や取引の説明書などを必ず確認し、購入する金の品位については、必ず確認しましょう。

■ 関税で高くついてしまう可能性

海外から日本に金を持ち込む場合は関税法に基づき、その購入額に応じた輸入関税の納付が求められます。
特に、純度が90%以上、重量が1kg以上の金を持ち込む場合は、事前に税関への申告が必要です。

また、それ未満の場合でも、日本に入国するときは「携帯品・別送品申告書」で、金の持ち込みに関する申告が義務付けられています。
無申告での持ち込みは密輸となり、莫大な罰金が課せられるため注意しましょう。

金にかかる輸入関税は、基本的には現地の市場価格で20万円までは免税範囲となっています。
ただし、この免税範囲は「海外で購入した全ての商品の合計額」である点には注意が必要です。

合計額が20万円を超える場合は20万円以内の品物が免税され、それ以外の品物に対して、消費税と同じ購入額の10%の税金を納めなくてはなりません。

それ以外にも、税関では日本に持ち込むためのさまざまな手続きが必要です。購入時の1品当たりの金額や購入場所のほか、同じ金でも金を用いたアクセサリーや金地金、金鉱石では輸入時の取り扱われ方が異なるため、勝手な判断はせず必ず申告しましょう。

■ 詐欺のリスクが日本より高い

海外で金を購入するときに、最も注意すべきポイントは詐欺です。
特に、悪徳業者が粗悪な金を売りつけるという詐欺行為は枚挙に暇がありません。
一昔前までは単なる金メッキということも多くありましたが、最近は手口が巧妙化しており、それこそ科学的な成分分析を行わないと判断が付かないような偽物も横行しています。

また、一見適切に思える取引であっても、販売業者が現地の犯罪組織やテロ組織などとつながっている可能性も無視できません。
興味本位での金の購入が、結果的に現地政府の経済活動に悪影響を与えたり、テロ行為による治安の悪化につながっていくこともあるため、信頼できない店舗での購入は絶対にしてはいけません。

4. 金を投資目的で購入するなら国内売買がおすすめ

金は債券や株式とは異なり、価値がゼロになることはない安全性の高い資産です。
そのため、近年の世界的な経済不安から安全資産である金を購入する人が増えています。
この動きは世界的なものであり、日本でも金を買う投資家が増えています。

投資目的で金を買うならば、やはり日本国内の企業での購入がおすすめです。
日本国内で投資を目的にした金売買を行うためには、金融庁の認可が必要です。

このような政府による保証があることへの信頼性は、大切な資産を預ける相手として投資家が求めているものでしょう。
そのほかにもアフターサービスにも積極的であることも、多くの人に勧められるポイントです。

金を安く買える国があることは事実です。
しかし、その裏には多大なリスクが伴います。
日本国内の金取引にかかる手数料や税金は、安心や安全のために支払っているのだと心得ましょう。

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