イギリスのソブリン金貨は、15世紀後半から現在に至るまで、500年以上の歴史を誇る金貨です。
種類によってはプレミアム価値がついており、高額査定が期待できるものもあります。
この記事では、ソブリン金貨の買取相場や売却方法に加えて、希少価値の高いソブリン金貨をいくつかご紹介します。
ソブリン金貨とは?その名前の由来と歴史
1980年に発行されたソブリン金貨
ソブリン金貨が初めて発行されたのは1489年。ヘンリー7世の治世下で、当時は通貨として使用されていました。
金貨の表面には王座に座る国王が描かれており、「ソブリン(sovereign)」とは英語で君主や国王を意味します。
しかし1604年を最後に、ソブリン金貨の鋳造は一旦中止されます。その後、「ユナイト」と呼ばれる金貨が発行され、デザインも国王の横顔へと変更されました。
1817年、ソブリン金貨の復活
1816年の貨幣法により、イギリスでは金本位制が採用されました。これを受けて、1817年から新たな本位金貨としてソブリン金貨の鋳造が再開されます。
ただし、紙幣との交換が開始されたのは1822年以降です。
新たなソブリン金貨は世界中でその価値が認められ、国際的な信頼を得る通貨となりました。
しかし1929年以降、世界恐慌の影響で金の需要が急増し、金貨は通貨としての役割を終えることになります。
金本位制の終焉と記念硬貨としてのソブリン金貨
金の高騰により金の流出が加速し、1931年にイギリスは金本位制を停止。これ以降、ソブリン金貨は流通用ではなく記念硬貨としての役割に移っていきました。
なお、「金本位制」とは通貨の価値を金と連動させ、金と通貨を交換できる制度です。
長い歴史が生む高いコレクション価値
このように、ソブリン金貨は発行された年代によって大きく3つの時代に分けられます。
一口に「ソブリン金貨」といっても、発行年やデザインの違いにより市場価値は大きく異なります。
15世紀後半に始まり、500年以上の歴史を持つソブリン金貨は、投資対象としてだけでなく、コレクション用としても根強い人気を誇っています。
どんな価値がある!?アンティークコインとしてのソブリン金貨の魅力
前述したように、ソブリン金貨は大きく分けて3つの種類があります。それぞれの年代におけるソブリン金貨の特徴を解説します。
「旧ソブリン金貨」が発行されていたのは日本で銀閣寺が完成した頃
旧ソブリン金貨は、1489年から1604年までの間に発行されました。
3種類の中で最初に鋳造されたソブリン金貨で、ヘンリー7世からヘンリー8世、そしてエリザベス女王へと国王が変わるごとにソブリン金貨の大きさや価値も変化していきました。
そもそもの発行数が少ないことから、アンティーク金貨としての希少価値が非常に高いとされています。
加えて、400年以上も前の非常に古い金貨であるため、保存状態が良いものは高額買取してもらえる可能性が極めて高いです。
保存状態の良い物は、1枚で100万円以上の価値がつくケースも珍しくありません。特に珍しい年号の金貨は、より高い価格がつく可能性があります。
ナポレオンの「百日天下」のわずか2年後に発行された「新ソブリン金貨」
新ソブリン金貨は、1817年から1973年にかけて発行されました。
この時代、イギリスは経済的に強く、新ソブリン金貨は国外にも広く流通。そのため発行枚数も多く、基本的には地金相場に準じた価格で取引されることがほとんどです。
しかし、発行年によってはプレミア価値が付いているものもあります。発行枚数は毎年一定ではなく、バラつきがあるからです。
著しく発行枚数が少なかった年の新ソブリン金貨については、100万円を超えるような価格で買取されることもあります。
同じ新ソブリン金貨でも、年号によって価値が大きく異なる点は注意が必要です。
第1次石油危機の頃に発行された「地金型ソブリン金貨」
1974年以降に発行されたのが「地金型ソブリン金貨」です。
これは投資目的で発行された金貨で、貨幣としての流通を目的としたものではありません。地金型金貨の価値は、日々変動する金相場に連動しています。
例えば、金の買取レートが2,000円/1gのときよりも3,000円/1gの時に売却した方が、当然ながら高く売ることができます。
金の買取レートは日々変動しているものですから、売却するタイミングを見極めることが非常に重要だと言えます。
モダンコインにも希少年数は価値が!?プレミア価値のある希少年号とは?
ここまで3種類のソブリン金貨を紹介しましたが、中でもプレミア価値が高いのは「残存数の少ない年号」の金貨です。
特に注目されている希少年号は以下の通りです。
- 1819年
- 1828年
- 1841年
- 1875年
- 1908年
- 1917年
これらの年号の金貨は市場流通量が少なく、状態が良ければ50万円前後で取引されることも珍しくありません。
さらに、極めて希少な年号や状態の良い金貨であれば、数百万円の高額買取が期待できる場合もあります。
ソブリン金貨を売却するには?注意すべきポイントを解説
ソブリン金貨を売却する際には、いくつか重要な注意点があります。知識があるのとないのとでは、買取価格に大きな差が生じる可能性もあります。
少しでも高い価格で売却するためにも、しっかりポイントを押さえておきましょう。
ソブリン金貨の売却で注意するポイント
ソブリン金貨は偽物が多く出回っています。素人目には判断がつきにくいため、まずは古銭専門業者に鑑定してもらって、本物のソブリン金貨かどうかを確認することが大切です。
希少性の高いソブリン金貨ほど、偽物が多い傾向にあります。
中でも、1828年のソブリン金貨は特に希少性が高く偽物が多く出回っているため注意が必要です。
ちなみに、1828年のソブリン金貨には当時の国王であるジョージ4世の横顔が描かれています。
本物のソブリン金貨であると証明されれば、少なくとも金の価値以下の買取価格になることはありません。プレミア価値が付くことで、本来の金の価値以上の価格で取引されます。
一度専門業者に鑑定してもらい、真贋チェックをしながら今の相場がいくらなのか調べてもらうとよいでしょう。
ソブリン金貨の高価買取なら「金貨買取本舗」
ソブリン金貨は、イギリス王室の肖像を描いた歴史ある金貨で、発行年代や希少性により価値が大きく異なります。
現在は金相場の高騰により、売却には絶好のタイミングです。
「金貨買取本舗」では専門査定員が常駐し、国内外の販路を活かした高価買取を実現しています。査定は無料ですので、ぜひお気軽にお問合せください。