旧一円銀貨(きゅういちえんぎんか)は1870年(明治3年)に発行された銀貨です。現代に近い時代につくられた貨幣は、技術の進歩とともに同一のものを大量につくることができました。
そのため特徴が通常のものと異なる貨幣が非常に少なく、エラーコインのような貨幣はほとんど流通していません。
表には中心に円を描くような竜図と、時代や金額を表す文字が周りに彫られています。裏面には中心に太陽の模様と、それを囲むように下方から桐と菊の葉が彫られています。
また中国との貿易に使用されていたため、荘印が打たれている旧一円銀貨も存在しています。
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荘印とは?
一円銀貨は国内よりも貿易用での流通が多い銀貨でした。貿易相手の中国では、貿易商が受け取った一円銀貨に自社の印を打つという傾向がありました。
中国との貿易の際に、一円銀貨に打たれた刻印のことを荘印(そういん)と呼びます。
本来のデザインの上から新たな刻印が打ってある状態なので、最初のデザインさえわかれば判別可能です。
荘印は貿易会社によって文字や形が異なりますが、あきらかに一円銀貨に関係ない文字などが打たれているので、コレクターでなくてもわかりやすいでしょう。しかし荘印がある一円銀貨は、荘印がない一円銀貨より価格が低いです。
また近年は荘印を隠すために、上から銀を流して印を埋めた『修正品』と呼ばれる一円銀貨もあります。修正品は荘印があるものよりさらに価値が下がり、収集品としての価値はないといわれるほどです。
旧一円銀貨の種類と価格
旧一円銀貨は後につくられた新一円銀貨より発行枚数が少ないです。つくられた期間も非常に短いため、希少性が高い銀貨です。
あきらかにつくりが異なるデザインの旧一円銀貨はありませんが、表面の一円(圓)の文字や、裏面の太陽の周りの円の細かなデザインが異なる旧一円銀貨が存在します。
それらの特徴をもつ旧一円銀貨はさらに希少性が高いと認められ、プレミア価格になります。
以下が種類一覧となりますが、記載している価格は状態が非常に良い場合での参考買取価格になります。その点ご留意ください。
旧一円銀貨 普通円・有輪(きゅういちえんぎんかふつうえんゆうりん)
旧一円銀貨 普通円・有輪は裏面の太陽の模様に違いがある旧一円銀貨です。外に広がる細い線の中心の円の枠が、はっきりと刻印されていることが特徴です。
深く彫られているというよりは、枠の凹凸がすぐ見てわかるほど明確かで判断したほうがわかりやすいでしょう。しかしこれは無輪に比べて明確である程度の違いなので、見慣れていない人には判断が難しい古銭といえます。
旧一円銀貨 普通円・無輪(きゅういちえんぎんかふつうえんむりん)
旧一円銀貨 普通円・無輪は表面は有輪と同じデザインです。
しかし有輪と異なり、裏面の太陽の周りの枠が薄く見えます。近くで見ると、太陽とそこから外に伸びる細い線の境界がないようにも見えます。
有輪と並べるとわかりやすいですが、無輪一枚だけの状況で判断することは難しいでしょう。価格は品質問わず、全体的に有輪より高いです。
旧一円銀貨 正貝円(きゅういちえんぎんかせいかいえん)
旧一円銀貨 正貝円は表面の『圓』の字に違いのある旧一円銀貨です。竜図の下にある一圓の文字を確認しましょう。圓の中の『貝』の字の左側の点が長いです。
正貝円ではないそのほかの圓は普通円と呼ばれますが、その二つを並べるとより違いが顕著です。普通円が丸い点のような見た目に対して、正貝円はしっかりと払いが読み取れる書体をしています。
旧一円銀貨 欠貝円(きゅういちえんぎんかけっかいえん)
旧一円銀貨 欠貝円は正貝円と同じく『圓』の字に違いがある旧一円銀貨です。正貝円同じく、表面にある竜図の下の一圓の文字を確認してください。圓の字の『貝』がきちんと書かれていません。
正式な貝の書体は点の上が『目』になります。しかし欠貝円はこの部分が『日』のように彫られているため、本来の漢字と大きく違います。
正貝円に比べるととてもわかりやすい特徴ですが、かなり希少なのでなかなか見かけることはできないでしょう。一方価格は品質が低いものでも、普通円・有輪、普通円・無輪、正貝円の約3倍高いです。