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金価格暴落は起こりうる? 過去から学ぶ教訓と今後の予想

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金は、相場の変動や経済的な不安定要素に対する安全資産として広く人気がありますが、その一方で価格が大きく変動することもあります。
そこで、本記事では、2024年に金価格が暴落する可能性について焦点を当てて解説します。
過去の暴落事例を振り返り、そこから得られる教訓を一緒にみていきましょう。

1. 金価格暴落事例:歴史は繰り返すのか?

金は歴史を振り返ると、その価格が急落した場面も少なくありません。
世界的な経済危機や政策の変動がきっかけとなり、金価格が大きく下がることがあるのです。

まずは、代表的な金価格暴落の事例を通じて、その背後にある要因や経済の動向を探っていきます。
果たして歴史は繰り返されるのか、過去の教訓を基に未来を読み解いていきましょう。

■ 1980年:オイルショック後の高騰からの急落

オイルショックの際には、金の価格が上昇し、インフレヘッジとしての役割を果たしたとされています。
インフレヘッジとは、物価が上昇(インフレーション)する際に資産価値が下がりにくい、または上がることでインフレの影響を緩和できる資産を指します。

オイルショックは、1973年から始まった第1次オイルショックと、1978年に発生し、翌年1979年にイラン革命などを契機として顕在化した第2次オイルショックの2回にわたって発生しました。

第1次オイルショックではエネルギー価格が急騰し、物価も大幅に上昇しましたが、第2次オイルショックではイラン革命により中東情勢が緊迫化し、原油価格が再び急上昇したのです。
これにともない金価格も継続的に上昇しました。

特に、第2次オイルショックでは、米国が高金利政策を実施したことでドル高が進行、円安の影響も相まって金価格が25%程度押し上げられたのです。

「金がインフレに強い」という印象が世界中に広まったのは、このオイルショックが背景にあります。

■ 2008年:リーマン・ショック直後の金価格下落

リーマン・ショック直後の2008年10月、金の価格は一時的に大幅な下落を見せました。
金融危機の影響で市場は混乱し、信用不安が広がる中、取引先が破綻するリスクが高まり、銀行が資金を調達しづらくなっていきました。
このため、資金を確保するために多くの銀行が保有していた金を売却しはじめたのです。

また、大口投資家向けの投資ファンドでも、経済の悪化にともない顧客からの解約が相次ぎました。
出資金を返すため、ファンドが保有していた金の売却が増加しました。

こうしたさまざまな要因が重なり、金の売却が相次いだことで、金価格は急落します。
実際、2008年10月には国内の金価格が一時的に2,104円まで下落したことが確認されています。

■ 2013年の金価格急落

金価格は2001年から昨年まで12年間上昇し続けていましたが、その長期的な上昇が2013年、ついに終わりを迎えました。
この12年間には、エンロンショックや米同時多発テロ、サブプライムローン問題、欧州債務危機など、さまざまな経済危機がありました。
それらの出来事によって、企業株式や債券、先進国の国債、さらには通貨に対する信頼が揺らぎ、安全資産として金が人気を集めていたのです。

2024年現在、世界の株式市場は回復基調にあり、財政支出や金融緩和も徐々に落ち着きを見せています。
そのため、一部では金に対する注目がやや減少しているかもしれませんが、金が持つ安全資産としての価値は変わりません。

2. 金価格暴落の引き金:何が価格を急落させるのか?

金価格が急激に暴落する原因には、複数の要因が絡みあっています。
ここでは、金価格の急落を引き起こす主な要因について解説し、それぞれがどのように金市場に影響を及ぼすのかをお伝えします。
今後の市場動向をより的確に予測するためにも、ぜひおさえておきましょう。

■ アメリカの金融政策

アメリカの金融政策は、金価格に対して非常に大きな影響を与えます。
これは、アメリカが世界経済における主要な経済大国であり、ドルが国際基軸通貨として広く使われているためです。
特に、利上げや量的緩和の縮小は、金価格の動向に直接的な影響を及ぼします。

たとえば、利上げが行われると、利息や配当を生まない金の魅力は相対的に低下します。
結果として利息を生むほかの資産を選ぶ投資家が増えるため、アメリカの金融政策には注意が必要です。

■ドルと金価格の逆相関関係

通常、金は米ドルで取引されており、ドルが強くなると金価格は下がり、ドルが弱くなると金価格は上がるという逆相関関係が成り立っています。

理由は、経済的な不安が世界的に広がると、アメリカ経済への懸念から米ドルの価値が低下しやすくなるためです。
結果として金のような安全資産に対する需要が増え、金価格は上昇します。
こうした背景から、ドルと金の価格は逆の動きをするのです。

逆に、アメリカの経済状況が良くなるとドルの価値が上昇し、投資家は株式などのペーパー資産に資金を移す傾向があります。
そのため、金価格は相対的に下がりやすくなります。

■ 景気後退や戦争などの世界経済の動き

景気後退や戦争などの世界的な経済を不安定にする要素も、金の需要に影響を与えます。
通常、リセッション(景気後退)の時期には、投資家がリスク回避の手段として金を購入するケースが多いです。

しかし、経済が安定し、戦争や紛争が終息するなどの良好なニュースがあると金の需要が減少し、価格が急落するケースもあります。
このように、経済の安定化や地政学的リスクの心配がなくなると金の需要を低下させ、結果的に金価格の下落を招くこともあるのです。

3. 暴落時に取るべき行動・避けるべき行動

金価格が暴落したとき、投資家は大きな不安に駆られがちです。
しかし、重要なのは感情に流されず、冷静に対応することです。

ここでは、金価格が暴落した際に取るべき具体的な行動と避けるべき行動についてくわしく解説します。
短期的な変動にとらわれず、長期的な視点で資産運用を行うためにも、ぜひ参考にしてください。

(1) ポートフォリオの見直しをしよう

金価格が下落したとき、最初に見直すべきは自分のポートフォリオです。
投資の基本である「資産配分(アセットアロケーション)」が適切かどうか確認しましょう。

たとえば、金だけに多くの資金を集中させていた場合、金価格の暴落で大きな損失を被るリスクが高まります。
しかし、株式や債券、不動産などほかの資産にも分散して投資すれば、ひとつの資産が下落しても全体的なリスクを軽減できます。

分散投資の原則は、リスクを分散させることで損失を最小限に抑えることです。
金だけでなく、株式や債券、不動産、コモディティと呼ばれる商品先物市場で取引されている商品など複数の投資先を作れば、金の暴落の影響も最小限にできるでしょう。

(2) パニック売りは避ける

金価格が急落すると、多くの投資家は不安に駆られてパニック売りをしてしまいがちです。
しかし、これは非常に危険な行動です。
歴史的に見ても、金価格は暴落後に回復するケースが多く、短期的な下落に反応して売却すると大きな損失につながります。

そのため、市場分析を行い、専門家の意見を参考にしましょう。
特に、暴落時には冷静な判断が求められます。
市場の過剰反応は、一時的な価格変動に過ぎないこともあります。

(3) 集中した買い増しも慎重に!

暴落時に「今が買い時だ」と考え、ナンピン買い(価格が下がったときに追加購入すること)をする投資家もいます。
しかし、これも慎重に行うべきです。

確かに、安くなったときの追加購入は、一見賢明な戦略に見えるかもしれません。
しかし、底値を見極めるのは非常に難しく、過度に買い増しを行うとリスクが高まります。

ほかにも、金は24時間取引が可能なため、相場の変動が常に起こりうる点では株式市場よりもタイミングの見極めが難しいです。
安易に底値だと判断して買い増しを続けると、資産全体のリスクを増大させる可能性があるため、慎重な判断が求められます。

4. 金価格のシナリオ:高騰と暴落の可能性

金価格は、今後も高騰する可能性と暴落する可能性の両方があります。

最後に、金価格がどう動くかのシナリオについて、それぞれの要因を考えてみましょう。

■ 高騰シナリオ:インフレ加速、経済リスクの高まりなど

金価格が再び上昇する可能性は、インフレの進行や経済リスクの増加が関係しています。
たとえば、近年のウクライナ情勢のような地政学的な不安定さが続けば、多くの投資家はリスクを避けるために金を選ぶ傾向にあります。

インフレが加速すると通貨の価値が下がり、資産を守るために実物資産である金の需要が増えるため、価格が上がりやすくなるのです。
短期的にはこうした要因で金の価格が急上昇することがあります。

しかし、長期的に見た場合、金はもともと価値が安定しているため一時的な変動にあまり影響されない資産です。
特に10年、20年という長い期間では、金の希少性と保有価値によって引き続き安全な投資先となる可能性が高いです。

■ 暴落シナリオ:経済危機、金融引き締め、代替投資の登場など

一方で、金価格が下がるシナリオも考えられます。
世界経済が回復し、金融機関が利上げや引き締めが進行すると金の需要が減少し、価格が下落しやすくなります。
特に利息が上がると金は利息を生まないため、ほかの投資先に注目が集まりやすくなり、短期的に価格が下がるリスクが高まります。

ただし、長期的に見れば金は希少価値のある資産であり、暴落が続く可能性は低くなります。

このように、短期間で大きな下落があったとしても、長期的な視点では金の価値が戻りやすいです。
そのため、一時的な価格変動に動揺せず、金はあくまで長期保有に適した資産だと考えるのが賢明です。

また、仮想通貨のような新しい代替投資先が出現し、投資家の間で人気を集めたとしても、金への投資需要を直接的に削るとは限りません。
実際、仮想通貨と金は、分散投資の観点から共存できるという見方もあります。
そのため、2024年時点では代替投資先が金価格に与えるリスクは比較的小さいとされています。

5. 暴落の可能性も考え、無理のない金投資を行おう!

金価格は上昇することもあれば、急激に下落するリスクも常に存在します。
したがって、金投資を行う際には過度な期待を抱かず、リスク管理をしっかりと行いましょう。

金は安全資産として知られていますが、その価格は変動が大きく、短期的な動きに過剰に反応するのは避けた方が安全です。
今回の記事を参考にして金価格の暴落に備えた計画を立て、慎重に投資を続けてくださいね。

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