「御在位記念硬貨」とは、天皇陛下の御在位を祝して造幣局が発行する特別な記念貨幣です。
天皇陛下の在位の節目に合わせて発行され、その時代ごとにデザインや額面が異なるさまざまな種類が存在します。
大掃除や遺品整理で御在位記念と書かれた貨幣が見つかり、「いつの硬貨なのかわからない」「価値がいくらか知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、昭和から令和までに発行された御在位記念硬貨をすべて網羅し、種類ごとの特徴・発行枚数・現在の買取相場をわかりやすく解説します。
ぜひご自身の手元の硬貨を調べるための参考にしてください。
御在位記念硬貨とは?造幣局が発行する“天皇の節目”を祝う記念貨幣
「御在位」とは、天皇陛下が在位されている期間を指す言葉です。
造幣局では、その節目の年に合わせて記念貨幣を発行しており、御在位を祝う硬貨のほか、御即位記念硬貨・御成婚記念硬貨など、皇室の重要な出来事にちなんだ貨幣も数多く存在します。
これらの御在位記念硬貨は一般流通を目的としたものではなく、あくまで記念収集用として造幣局が販売したものです。しかし、額面10万円・1万円・500円といった金額が刻まれているため、法定通貨として実際に使用することも可能です。
ただし金貨はすべて純金(K24)で製造されており、金としての素材価値が額面を大きく上回るケースも珍しくありません。
そのため、手元にある場合は、通貨として使うよりも 買取店で査定・売却した方が有利になる場合があります。
御在位記念硬貨の種類一覧(発行年・額面・デザイン・発行枚数)
昭和から現在までに発行された御在位記念硬貨を一覧にまとめました。
それぞれの発行年やデザイン、発行枚数について具体的に解説していきます。
昭和天皇御在位60年記念硬貨(1986年・87年発行)
昭和天皇の御在位60年を祝して発行された記念硬貨で、10万円金貨・1万円銀貨・500円白銅貨の3種類があります。
昭和天皇御在位60年記念10万円金貨(1986年・87年発行)
| 素材(品位) |
純金(K24) |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径 |
30mm |
| 額面 |
10万円 |
| 発行枚数
| 1100万枚 |
表面には「鳩と水のデザイン」、裏面には「菊の紋章」が刻まれています。
当時、日本で初めて発行された御在位記念金貨であり、また初の「10万円金貨」として大きな注目を集めました。
当時は額面より金の価値が低かったものの、現在は金相場の高騰により35~40万円前後の買取価格が期待できます。額面以上の価値があるため、取引は金相場を基準に行われています。
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昭和天皇御在位60年記念1万円銀貨
| 素材(品位) |
純銀 |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径 |
35mm |
| 額面 |
1万円 |
| 発行枚数
| 1000万枚 |
表面は「日の出と瑞雲に瑞鳥」、裏面は金貨と同じく「菊の紋章」です。
こちらは現在も 額面1万円での取引 が一般的なため、銀行での両替をおすすめします。
昭和天皇御在位60年記念500円白銅貨
| 素材(品位) |
銅750/ニッケル250 |
| 量目(重さ) |
13g |
| 直径 |
30mm |
| 額面 |
500円 |
| 発行枚数
| 5000万枚 |
表面には「京都御所 紫辰殿」、裏面は金貨・銀貨同様「菊の紋章」が刻まれています。
こちらも 額面500円での価値 となるため、銀行での交換が最適です。
天皇陛下御在位10年記念硬貨(1999年発行)
現:上皇陛下(明仁上皇)の御在位10年を記念して発行された記念硬貨です。
1万円金貨と500円白銅貨の2種類あります。
天皇陛下御在位10年記念1万円金貨
| 素材(品位) |
純金(K24) |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径 |
28mm |
| 額面 |
1万円 |
| 発行枚数
| 20万枚 |
表面は鳳凰・桐・白樺、裏面は菊紋と橘と桜がデザインされています。
当時、プレミアム貨幣として造幣局で4万1000円 で販売されました。
現在は金相場の高騰により、額面よりも地金価値が優先され、35~40万円前後で買取されることが多いです。
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天皇陛下御在位10年記念500円白銅貨
| 素材(品位) |
銅750/ニッケル250 |
| 量目(重さ) |
7.2g |
| 直径 |
26.5mm |
| 額面 |
500円 |
| 発行枚数
| 1500万枚 |
デザインは富士山を背景に菊の花。裏面は金貨と同じく菊紋・橘・桜です。
価値は 額面500円のため、銀行での両替を推奨します。
天皇陛下御在位20年記念硬貨(2009年発行)
現:上皇陛下(明仁上皇)の御在位20年を記念して発行されました。
1万円金貨と500円ニッケル黄銅貨の2種類があります。
天皇陛下御在位20年記念1万円金貨
| 素材(品位) |
純金(K24) |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径 |
28mm |
| 額面 |
1万円 |
| 発行枚数
| 10万枚 |
表面は鳳凰・瑞雲・皇居(二重橋)。裏面は菊花紋章です。
当時の造幣局販売価格は8万円。
現在は金相場の影響を受け、35~40万円前後の買取相場となっています。
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天皇陛下御在位20年記念500円ニッケル黄銅貨
| 素材(品位) |
銅720/亜鉛200/ニッケル80 |
| 量目(重さ) |
7g |
| 直径 |
26.5mm |
| 額面 |
500円 |
| 発行枚数
| 1000万枚 |
表面は菊の花、裏面は金貨と同じく菊花紋章。
現在の価値は 額面500円で取引されています。
天皇陛下御在位30年記念硬貨(2019年発行)
現:上皇陛下(明仁上皇)の御在位30年を記念して発行されました。
1万円金貨と500円バイカラー・クラッド貨の2種類あります。
天皇陛下御在位30年記念1万円金貨
| 素材(品位) |
純金(K24) |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径 |
28mm |
| 額面 |
1万円 |
| 発行枚数
| 5万枚 |
図案は鳳凰と桐と白樺。裏面は菊花紋章。
金貨単体が2万枚、500円バイカラー・クラッド貨とのセットが3万枚発行されました。
金貨単体セットの造幣局販売価格は13万8000円。
現在は金相場に連動し、35~40万円前後の買取相場となっています。
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天皇陛下御在位30年記念500円バイカラー・クラッド貨
| 素材(品位) |
銅720/亜鉛125/ニッケル125 |
| 量目(重さ) |
7.1g |
| 直径 |
26.5mm |
| 額面 |
500円 |
| 発行枚数
| 500万枚 |
バイカラー・クラッドとは、異なる種類の金属を組み合わせる技術です。
デザイン性だけでなく、硬貨の偽造防止力を高める役割があります。
表面の図案は儀装馬車と桐と白樺。裏面は菊花紋章がバイカラー仕様でデザインされています。
こちらは額面どおりの価格で取引されているため、銀行での両替をおすすめしています。
令和の御在位記念硬貨はいつ発行される?
2019年4月30日に明仁天皇が退位し、翌5月から徳仁天皇による「令和」が始まりました。同年10月には御即位記念硬貨(1万円金貨・500円バイカラー・クラッド貨)が発行されています。
御在位記念硬貨は御在位の節目ごとに発行されるため、令和初の御在位記念硬貨は御在位10年にあたる2028年 に登場する可能性が高いと予想されます。どのようなデザインとなるのか、今から楽しみですね。
御在位記念金貨を高く売るコツ
御在位記念金貨は、種類や状態、相場のタイミングによっても査定額が変わります。
少しでも高く売るために以下のポイントを押さえておきましょう。
状態を維持(磨かない・素手で触らない)
金貨の価値は「傷の有無」や「輝き」によって評価が変わります。
記念金貨は特に“未使用に近い状態”が重視されるため、以下の基本的な保管が非常に重要です。
- 研磨剤で磨かない
- 直接手で触らない
- ケースから無理に取り出さない
状態が良いほど査定額が安定しやすくなります。
箱・証明書(ブックレット)を揃えて査定へ
付属品の有無は査定額に直結します。
- 外箱
- 内箱(ケース)
- 保証書(造幣局発行のブックレット)
など、なるべく購入時そのままの状態で揃っていると評価が高くなりやすいため、査定前に必ず確認しましょう。
金相場をチェックして売却タイミングを見極める
金相場は世界情勢や為替の影響を受けて日々変動します。
御在位記念金貨はすべて純金(K24)で作られているため、金価格が上昇しているときは買取額も上がります。
特に最近は金相場が歴史的な高値圏にあるため、絶好の売却タイミングといえるでしょう。
「記念硬貨に詳しい買取店」で査定を受ける
記念金貨は一般的な貴金属とは評価基準が異なるため、金貨・記念硬貨に精通した専門の買取店で査定することが重要です。
記念硬貨の取り扱い実績が豊富なお店なら、種類ごとの市場価値や保存状態、市場相場などを総合的に判断して適正価格で買い取ってもらえます。
とくに金相場は変動が大きく、タイミング次第で査定額が数万円前後変わることも珍しくありません。売却を検討している方は、まず現在の相場と金貨の状態を確認したうえで、専門店に相談してみるとよいでしょう。
まとめ|御在位記念硬貨は移り変わる時代を象徴する貨幣
御在位記念硬貨は、昭和・平成・令和と移り変わる時代を象徴する貨幣です。
銀貨や500円硬貨は額面通りの取引が中心ですが、金貨は額面を大きく上回る価値がつくことが多く、適切な状態で保管されていれば資産としての魅力も十分あります。
お手元の金貨の価値を正しく把握するためにも、一度専門店での査定を受けることをおすすめします。
金貨買取本舗では、御在位記念金貨の査定に精通したスタッフが丁寧に価値を見極めます。
気になる方は、お気軽に『無料査定』をご利用ください。
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