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更新日時: 2014/04/28 13:10 JST
4月25日(ブルームバーグ):トレジャーハンターのボブ・エバンス氏は人生の半分を、米サウスカロライナ州の沖合で南北戦争前の19世紀に沈没し深海の暗闇に眠る蒸気船「SSセントラル・アメリカ号」を夢見て過ごしている。そして、23年ぶりにこの沈没船の元へと向かった。
エバンス氏(60)は、米深海探査会社オデッセイ・マリン・エクスプロレーション と共に沈没船に向けて出発した。船は1857年に乗客・乗員425人、それに金を乗せたまま沈んだ。金の量は分かっていない。船は大西洋の水深1マイル(約1610メートル)以上の場所に横たわっている。1989-91年の回収作業で2トンを超える金が引き揚げられたが、オデッセイは依然として8600万ドル(約87億8000万円)相当の金が沈んでいる可能性があるとみている。
「これは米国史上最も大きな失われた財宝だ」。前回の調査で首席科学者を務めたエバンス氏は出航前の電話インタビューでこう語った。
金価格は昨年、急落したが、前回の回収作業が実施された90年代初めと比較すると3倍以上の水準となっている。前回の回収作業は財宝の所有権をめぐる法廷闘争によって中止されていた。沈没船から発見された希少な金貨は、金の重量を大幅に上回る価格で売却されている。
オデッセイにとって、沈没船からの財宝の引き揚げは利益を上げるチャンスだ。同社は昨年10-12月(第4四半期)に最高益を上げ、過去の複数のプロジェクトで数トンの財宝を回収しているが、回収できなかったプロジェクトもあり、過去8年間、通期利益 を上げていない。
【ダブルイーグル金貨】
レーク・ストリート・キャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・アルジェント氏(ミネアポリス在勤)は電話インタビューでオデッセイについて、「特殊な業界の非常に特殊な企業だ」と指摘。「バイオ企業に似ている。全てのバイオ企業が全ての薬品を承認されるわけではない」と述べた。
ヘッジファンドのメゾン・キャピタル・パートナーズのライアン・モリス氏は、オデッセイが容易に回収可能な金を発見できる可能性は低いと指摘する。
オデッセイは、裁判所が任命した専門家の話として沈没地点に残されている金の量を推計し、この金貨は19世紀の米国製金貨「ダブルイーグル」とみている。
オデッセイのマーク・ゴードン社長は先月の電子メールで「当社の調査部門と、裁判所が任命した専門家はいずれもSSセントラル・アメリカ号には調査の実施費用を保証するのに十分な量の金が残されていると考えている」と述べた。
原題:Sunken Gold Off U.S. Coast Lures Treasure Hunters:Commodities(抜粋)
2014年5月24日
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