1986年から1989年まで、オーストラリアで発行されていたナゲット金貨。表面にはエリザベス女王の肖像が、裏面には自然金塊(ナゲット)がデザインされています。
もしご自宅にこのナゲット金貨をお持ちであれば、「どのような金貨なのか」「現在どれほどの価値があるのか」気になる方も多いのではないでしょうか。
金価格が高騰している今、ナゲット金貨の価値も過去最高水準に達しています。
今回は、なぜ今ナゲット金貨が高く売れるのか、その理由について詳しくご紹介します。
ゴールドラッシュ時代の象徴!ナゲット金貨はどんな金貨?
オーストラリア政府発行地金型金貨のデザインになった天然金塊
オーストラリア金貨の中でも「ナゲット金貨」には、どのような歴史や特徴があるのでしょうか。ここではナゲット金貨の基礎知識をご紹介します。
ナゲット金貨の歴史
ナゲット金貨は、オーストラリアのパース造幣局が発行していた地金型金貨(投資用金貨)です。
通常の流通用金貨や記念金貨とは異なり、主に資産として保有・取引されることを目的に発行されました。
パース造幣局は、オーストラリアで最も歴史ある造幣局であり、1899年に英国王立造幣局の支局として設立されました。
1970年には西オーストラリア州政府の所有となり、1986年には金・銀・プラチナなどの法定通貨を発行する権限を得ています。
このパース造幣局が発行している「カンガルー金貨」は、西オーストラリア州政府が品位と重量を保証する法定通貨であり、現在でも世界的に高い信頼と知名度を誇ります。
ナゲット金貨は、そのパース造幣局によって1986年から1989年までの4年間発行されました。
デザインのモチーフには、オーストラリアのゴールドラッシュが深く関係しています。
1848年のアメリカ・カリフォルニアで始まったゴールドラッシュは、やがてニュージーランドやカナダ、オーストラリアへと広がり、1880年代のオーストラリアでも多くの金塊が発見されました。
ナゲット金貨は、まさにその時代の象徴といえる金貨なのです。
ナゲット金貨の特徴
ナゲット金貨の大きな特徴は、表面にエリザベス2世女王の肖像、裏面に自然な形状の金塊(ナゲット)が描かれていることです。
掘り出されたままのゴツゴツとした金塊がデザインされており、ゴールドラッシュの歴史を感じさせる意匠となっています。
さらに、ナゲット金貨は純度99.99%以上(フォアナイン・プラス)という高純度の24金で作られており、政府による品位と重量の保証があるため、世界的にも高い信頼性を誇ります。
同じくフォアナイン・プラスの金貨としては、オーストリアのウィーン金貨やカナダのメイプルリーフ金貨、そしてナゲット金貨の後継として登場したカンガルー金貨などが挙げられます。
ナゲット金貨は発行年ごとに裏面の金塊デザインが異なり、計4種類のバリエーションがあります。そのため、全種類をコレクションしたい愛好家も多いのが特徴です。
※表面のエリザベス2世女王の肖像デザインは共通です。
ちなみに余談ですが、チキンナゲットの「ナゲット」という名称は、この自然金塊(ナゲット)の形状や揚げた色味に由来しているともいわれています。
ナゲット金貨の種類
1987年発行 1オンス(oz) ナゲット金貨 裏面
ナゲット金貨は、4種類のサイズ・額面で発行されています。
※「オンス」は貴金属の計量に使われるトロイオンス(約31.1g)を指します。
サイズ |
重量 |
直径 |
額面 |
1オンス |
31.1g |
32mm |
100ドル |
2分の1オンス |
15.5g |
25mm |
50ドル |
4分の1オンス |
7.7g |
20mm |
25ドル |
10分の1オンス |
3.1g |
16mm |
15ドル |
※裏面のナゲットデザインは発行年度ごとに異なるため、発行年別のコレクション性も高い金貨となっています。
カンガルー金貨はナゲット金貨の後を引き継いだ金貨!
ナゲット金貨と混同されやすいのが、現在も発行されている「カンガルー金貨」です。
カンガルー金貨はその名の通り、裏面にカンガルーのレリーフが施されています。
もともとナゲット金貨は、裏面に自然な金塊(ナゲット)がデザインされていましたが、1990年にデザインが金塊からカンガルーへと変更されました。
それまでの金塊デザインは、ゴールドラッシュ時代の象徴として採用されていましたが、1990年以降は、オーストラリアの国章にも使われるカンガルーが新たなシンボルとして選ばれたのです。
このため、一般的に1989年までの発行分をナゲット金貨、1990年以降のものをカンガルー金貨と区別しています。
しかし、ナゲット金貨の影響が強かったため、海外では今でもカンガルー金貨を「ナゲット」と呼ぶケースも見られます。
また、カンガルー金貨は、毎年裏面のカンガルーのデザインが変更されるのも特徴です。
デザインの評価や人気によって価値が変わることもあり、コレクション性が高い金貨となっています。投資用だけでなく、収集目的でカンガルー金貨を集める愛好家も非常に多いです。
このように、カンガルー金貨は高純度のフォアナイン・プラス(99.99%純度)という品質の高さと、コレクション性の両方を兼ね備えており、世界三大金貨のひとつにも数えられています。
ナゲット金貨の買取相場は金相場が高いときほど期待できる!
ナゲット金貨の買取相場は、基本的に金そのものの相場によって決まります。
一般的には、純金の相場価格から数百円を引いた金額に重量を掛けたものが、買取時の目安になります。
ナゲット金貨には、100ドル・50ドル・25ドル・15ドルの4種類があります。当然ながら、額面が大きいほど重量が大きくなり、その分価値も高くなります。
なお、ナゲット金貨からカンガルー金貨に切り替わったのは1990年と比較的最近のこと。そのため、現時点ではナゲット金貨自体に「希少価値」というほどのプレミアは付いていません。
そのため、基本的には「金の価値」+「重量」が査定の中心となります。
しかし、保存状態が良好なものについては、若干の付加価値が評価されるケースもあります。
収集型の金貨はコレクション市場での取引も盛んであり、オークション、リサイクル市場、ネット上の個人取引など様々な販売ルートがあります。
一方で、偽物が出回っている場合もあるため、取引の際は十分注意が必要です。
金相場は日々変動しており、明確な買取価格を一概に示すことは難しいですが、金は大きな暴落リスクが比較的少ない資産とされています。
その背景には、世界的に金の採掘量が減少傾向にあることがあり、希少性が高まりつつあるのです。
もちろん、株価や世界情勢の影響を全く受けないとは言い切れませんが、安定性の高い資産として、金は現在も多くの投資家やコレクターに注目されています。
純金は柔らかい!傷つきやすいナゲット金貨は無理に手入れせずに無料査定へ
ナゲット金貨を高く売るためのポイントは、何より「美品であること」です。
特に純金は非常に柔らかい性質を持っており、わずかな衝撃でも傷や変形が生じやすいため、取り扱いには細心の注意が必要です。
保管の際は、直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で保管することを心がけましょう。
また、金属は湿気や塩分によって変色やくすみが起こる場合があります。湿気や塩分、空気との接触をなるべく避けることが、美しい状態を保つコツです。
そしてもう一つ大切なのが、買取業者選びです。
「家から近いから」「とりあえず目についたから」といった理由だけで選ぶのではなく、ナゲット金貨や金貨に関する専門知識を持ち、適切な査定をしてくれる信頼できる業者を選びましょう。
また、買取価格は業者によって異なるため、複数の買取店に査定を依頼し、相見積もりを取るのがおすすめです。
納得のいく価格で手放すためにも、焦らず慎重に買取店を選ぶことが成功のカギとなります。
『金貨買取本舗』では、ナゲット金貨はもちろん、その他の金貨や記念金貨、海外コインやプレミア金貨なども積極的にお買取りしています。
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