1993年(平成5年)、当時の皇太子殿下(現・今上天皇)と雅子さまのご成婚を祝して発行された「皇太子殿下御成婚記念硬貨」。
ご自宅の整理や相続品の中から見つかり、「この硬貨はいくらの価値があるの?」「金貨・銀貨・白銅貨の違いは?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、御成婚記念硬貨の価値は種類(5万円金貨/5,000円銀貨/500円白銅貨)によって大きく異なり、特に“純金”で作られた5万円金貨は金相場の高騰により大きな資産価値を持っています。
本記事では、御成婚記念硬貨の種類・特徴・デザインの意味から、現在の買取相場、高く売るコツまで徹底解説します。
皇太子殿下御成婚記念硬貨とは?
皇太子殿下御成婚記念硬貨は、1993年(平成5年)に当時の皇太子殿下(現・今上天皇)と雅子さまのご成婚を祝して造幣局が発行した記念貨幣です。
金貨・銀貨・白銅貨の3種類が発行され、それぞれにプルーフ仕様も存在します。
デザインを手掛けたのは日本画家の巨匠・平山郁夫氏です。
硬貨の表面には、波や瑞雲を背景に瑞鳥(めでたい鳥)とされる鶴が2羽、寄り添って飛ぶ姿が描かれ、裏面には菊花紋章と皇太子殿下のお印である「梓(あずさ)」が刻まれています。
鶴は古来より「夫婦円満」「長寿」「吉兆」を象徴し、瑞雲は“めでたい出来事の前兆”とされています。
また、菊花紋章は天皇家を象徴する紋章であり、天皇陛下や皇室にゆかりのある記念貨幣には必ずといっていいほど使われる図柄です。
こうした意味合いを込めてデザインされているため、記念硬貨としての美術的価値も高い一枚です。
特に5万円金貨は高い技術力が評価され、1994年に世界の造幣局が参加する国際的なコンクール「MDCコイン・コンペティション」で“最も技術的に優れた貨幣(Most Technically Advanced Coin)”を受賞した実績を持ちます。
皇太子殿下御成婚記念硬貨の種類と価値
皇太子殿下御成婚記念硬貨は、5万円金貨・5,000円銀貨・500円白銅貨の3種類があり、さらにそれらを組み合わせたプルーフセットが販売されました。
「プルーフ」とは、通常の硬貨よりも鏡面のように輝く特殊な仕上げが施された加工のこと。表面が非常に滑らかで光沢が強く、鑑賞用につくられた特殊仕様の貨幣です。
それぞれの硬貨の特徴や価値について詳しく解説していきます。
皇太子殿下御成婚5万円金貨(純金)
| 発行日 |
1993年9月9日 |
| 発行枚数 |
200万枚 |
| 素材(品位) |
純金(金:1000) |
| 量目(重さ) |
18g |
| 直径
| 27mm |
表面は、波を背景に瑞鳥の鶴2羽が仲良く寄り添って飛んでいる姿が描かれ、裏面には菊花紋章とそれを囲むように皇太子殿下のお印である「梓」がデザインされています。
さらにその周りには『皇太子殿下御成婚記念』『日本国』『五万円』『平成五年』の文字が刻まれています。
現在の価値(買取相場)
5万円金貨は、額面5万円として銀行で両替することもできますが、実際にはほとんどの方が金相場を基準とした買取店での売却を選びます。
理由は簡単で、金貨の地金価値が額面5万円を大きく上回るためです。
具体的に計算してみましょう。
2025年11月時点の金相場(1gあたり約2万円)だとすると、純金18gでつくられた皇太子殿下御成婚5万円金貨の地金価値は、
2万円×18g=36万円
つまり、約36万円が皇太子殿下御成婚5万円金貨の買取価格の目安になります。
金相場は世界情勢・景気・ドル円などのさまざまな要因により日々変動します。
特に2025年9月、金相場は史上初の「1g=2万円台」を突破し、以降も上昇傾向が続いています。
金貨の売却を検討している場合、相場が高い今は、まさに“売り時”です。
『皇太子殿下御成婚5万円金貨』最新の買取価格を確認する
皇太子殿下御成婚5,000円銀貨(純銀)
| 発行日 |
1993年6月4日 |
| 発行枚数 |
500万枚 |
| 素材(品位) |
純銀(銀:1000) |
| 量目(重さ) |
15g |
| 直径
| 30mm |
表面は、瑞雲を背景に瑞鳥の鶴2羽が仲良く寄り添って飛んでいる姿が描かれています。裏面は金貨同様に菊花紋章とそれを囲むように皇太子殿下のお印である「梓」のデザイン。その周りには『皇太子殿下御成婚記念』『日本国』『五千円』『平成五年』の文字が刻印されています。
現在の価値(買取相場)
5,000円銀貨は発行枚数が多かったこともあり、現在(2025年11月)はプレミア価値がほとんどつきません。
相場は概ね額面どおりの5,000円前後となるため、当店では銀行での両替をおすすめしています。
皇太子殿下御成婚500円白銅貨
| 発行日 |
1993年6月4日 |
| 発行枚数 |
3000万枚 |
| 素材(品位) |
合金(銅:750、ニッケル:250) |
| 量目(重さ) |
7.2g |
| 直径
| 26.5mm |
表面は、金貨と同じく瑞鳥の鶴2羽と波が描かれていますが、デザインは異なります。裏面は金貨・銀貨同様に菊花紋章とそれを囲むように皇太子殿下のお印である「梓」。
その周りに『皇太子殿下御成婚記念』『日本国』『500円』『平成五年』の文字が刻まれています。
現在の価値(買取相場)
こちらも発行枚数が非常に多いため、額面500円がそのまま価値となります。
買取店では両替品として扱われることが一般的なため、当店でも銀行での両替を推奨しています。
皇太子殿下御成婚記念硬貨プルーフセット
プルーフセットには以下の2つの種類があります。
- 3点セット:5万円金貨+5,000円銀貨+500円白銅貨
- 2点セット:5,000円銀貨+500円白銅貨
硬貨は専用ケースに収められ、外箱の白い化粧箱には「皇太子殿下御成婚記念プルーフ貨幣セット」「大蔵省造幣局」と記載されています。
各硬貨は1枚ずつブリスターパックで密封され、金貨には偽造防止のシリアルナンバーが付属しています。
現在の価値(買取相場)
5万円金貨を含む3点セットの場合、査定額は金貨の相場に大きく左右されます。
銀貨・白銅貨は額面価値になるため、セットの価値=金貨の価値になります。
さらに付属品や保管状態が良好な場合は、買取価格が上乗せされるケースもあります。
現在の価値・買取相場の動向
皇太子殿下御成婚記念硬貨は、現在いずれも大きなプレミア価値は付いておらず、5万円金貨の場合は金相場に準じた額、5,000円銀貨と500円白銅貨の場合は額面そのままの額が相場となります。
高く売るための5つのコツ
皇太子殿下御成婚記念硬貨を高く売るための5つのポイントを解説します。
付属品(ケース/証明書)を揃えておく
皇太子殿下御成婚記念硬貨をできるだけ高く売却するためには、まずは付属品をしっかり揃えた状態で査定に出すことが大切です。専用ケースや証明書、外箱の化粧箱が揃っていると、保存状態が良いことに加え、正規品であることの裏付けにもなるため、査定が有利に進みやすくなります。
売却タイミング:金の相場をチェック
次に意識したいのが売却タイミングです。とくに金貨の場合は金相場に直接影響を受けるため、相場が上昇している局面では査定額も自然と高くなります。2025年現在は金の価格が上昇基調にあるため、売り時として適した状況といえるでしょう。
単体よりセットで売る方が価値が上がる
単体で売るよりセットで売却する方が評価が高くなる傾向があることも覚えておきたいポイントです。特に5万円金貨を含むプルーフセットは、付属品の完備によって価値が高まりやすく、単独よりも査定評価が高くなるケースが多く見られます。
複数業者に査定を取る
少しでも高値で売りたい場合は複数の業者で査定を比較することが欠かせません。買取店ごとに査定基準や相場の読み方は異なるため、1社だけの査定額で判断すると損をしてしまう可能性があります。もしも一店舗目の買取価格に納得がいかなければ、あと2~3社は比較することをおすすめします。
金貨や硬貨の買取専門店を選ぶ
記念硬貨や金貨の専門店を選ぶことも大切です。
一般的な買取店では記念貨幣の価値を十分に評価できない場合がありますが、専門店なら素材価値だけでなく市場価値・デザイン・セット状態など総合的に判断してもらえるため、適正価格での売却につながります。
当店「金貨買取本舗」では、皇太子殿下御成婚記念硬貨をはじめ、皇室関連の記念貨幣の取り扱い実績が豊富にあります。
金相場や市場動向を踏まえた最新の査定額をご提示し、金貨セット・プルーフセットなど付属品の状態もしっかり評価いたします。
「手元の硬貨の価値を知りたい」「本物か確かめたい」という方でもご安心ください。
専門スタッフが一点ずつ丁寧に確認し、無料で正確な査定を実施しております。
大切に保管してきた記念硬貨の価値を知りたい方は、ぜひ金貨買取本舗へお気軽にご相談ください。
今価値が上昇しているその他の皇室関連記念硬貨
皇太子殿下御成婚記念硬貨以外にも、今価値が上昇している皇室関連記念硬貨をご紹介します。買取相場価格は2025年11月現在のものです。
最新の買取価格を知りたい方は、金貨買取本舗の各硬貨のページをご確認ください。
天皇陛下御在位60年記念10万円金貨
| 発行日 |
1986年11月10日・1987年5月13日 |
| 発行枚数 |
1100万枚 |
| 素材(品位) |
純金(金:1000) |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径
| 30mm |
1986年(昭和61年)に昭和天皇の御在位60年を記念して発行された日本初の10万円金貨。翌年1987年に追加発行されました。
当時は額面10万円の金貨として造幣局より販売されましたが、現在の買取店での買取相場は35~44万円程度です。
『天皇陛下御在位60年記念10万円金貨』最新の買取価格を確認する
天皇陛下御即位記念10万円金貨
| 発行日 |
1991年4月10日 |
| 発行枚数 |
200万枚 |
| 素材(品位) |
純金(金:1000) |
| 量目(重さ) |
30g |
| 直径
| 33mm |
明仁天皇のご即位を祝し、1991年に発行された日本で2つめとなる10万円金貨。
重量30gの純金製で、近年の金相場高騰により買取価格が急騰しています。
現在の買取相場60~65万円程度です。
『天皇陛下御即位記念10万円金貨』最新の買取価格を確認する
天皇陛下御在位10年記念1万円金貨
| 発行日 |
1999年 |
| 発行枚数 |
20万枚 |
| 素材(品位) |
純金(金:1000) |
| 量目(重さ) |
20g |
| 直径
| 28mm |
明仁天皇の御在位10年を祝し、1999年に発行された1万円金貨。
額面は1万円ではあるものの、純金20gを使用しているため、御在位60年記念金貨や他の記念金貨同様、価値が上昇しています。
『天皇陛下御在位10年記念1万円金貨』最新の買取価格を確認する