中世の宝物！ヘンリー8世時代のエンジェル金貨

1509年発行記念金貨　ロンドン・ミントのエンジェル金貨

■エンジェル金貨

買い取り参考価格　800,000円
発行年：1509年
発行国：イギリス
鑑定機関：NGC
鑑定結果：MS61

こちらは1509年に発行された、中世イングランド国王であるヘンリー8世のエンジェル金貨（6シリング8ペンス貨幣）です。
グロリアーナ（栄光王）とも称されたエリザベス1世の父にして、イングランド国教会を設立し、教皇権に対する王権の優位を確立、その後に続くイギリス絶対王政の基礎を確立した中世イングランドのカリスマ国王、ヘンリー8世のエンジェル金貨です。

エンジェル金貨は1465年にエドワード4世によって発行された法定金貨です。
「エンジェル」の由来ともなった表面のデザインには、旧約聖書ダニエル書やヨハネの黙示録に記された、天使ミカエルが龍（悪魔サマエル）と戦い、これを聖槍で打ち破った逸話が描かれています。
裏面には、イングランド海軍の象徴であるキャラック船とキリストの十字架が描かれ、王家の象徴である薔薇とヘンリー8世のイニシャルである「ｈ」が刻印されています。（製造時期によっては、薔薇が打刻されていなかったり、「ｈ」が省略されているものもあります。）

一方、ヘンリー8世はそれまで銀本位制であった貨幣体系を金本位制に改め、各地に造幣所を設けました。
それゆえエンジェル金貨も国内31箇所で造られたため、どちらの造幣所で製造されたかを示すためのミントマーク（造幣所記号）が裏面1時の位置に打刻されました。
当金貨は、そのうちロンドン塔の王立造幣局で製造されたことを示す「城」のミントマークが打刻されたロンドン・ミントです。
（ミントマークには他にも、「薔薇の花＝カンタベリー市」や「百合の花＝ダラム市」、「ツバメ＝ヨーク市」などがあります。）

中世金貨は長い歴史のなかで逸失や損耗の影響を受けるため、現存するものは状態が良くないものが大多数です。
また「エンジェル」金貨には、モチーフの縁起の良さから「お守り」として身に着けられる習慣がありました。
多くは腰のベルトや首飾りとするために穴が開けられたり、身につけるうちに磨耗したため、未使用等級の現存は特に希少です。
しかしながら本金貨はMS61（未使用等級！）と中世貨幣では抜群に素晴らしい状態であり、さらに「薔薇」「ｈ」「城：ロンドン塔」と三拍子が揃うなど正に歴史的標本とも言える一品。そのため高価買取をさせていただいております！

2018年6月30日

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