カルガリー五輪記念金貨の買取価格は? オリンピックで記念硬貨を発行する理由を解説
4年に1度のスポーツの祭典、オリンピック。選手たちが自国の誇りとこれまでの練習の成果を発揮する場所は、同時に国威発揚やビジネスチャンスとしての一面も存在しています。
今回は、そんなオリンピックの商業的な側面とも言える記念硬貨のなかから、1988年に開催されたカルガリー五輪の記念硬貨を紹介します。
基本情報
発行国 | カナダ |
発行年 | 1987年(カルガリー五輪の前年) |
素材 | 金58.33% |
額面 | 100カナダドル |
重量・直径 | 13.338g / 27mm |
図案(表) | エリザベス2世 |
図案(裏) | オリンピックの聖火を掲げる手、ロッキー山脈 |
この硬貨のエッジ部分(側面)には、英語で「XV OLYMPIC WINTER GAMES」、そしてフランス語で「JEUX D’OLYMPIQUES D’HIVER」と刻まれています。
実は、エッジ部分に文字を刻んだ記念硬貨は、このカルガリー五輪の記念硬貨がはじめてです。それだけでもカナダ造幣局の高い技術力と美術性をうかがい知ることができます。
また、英仏両方の言葉を刻むことで、細やかな部分にまでカナダの文化を感じられる硬貨と言えるでしょう。
記念硬貨とオリンピック
オリンピックに際して発行される記念硬貨は、単なるコレクターズアイテムの範疇に留まらない価値を秘めています。記念貨幣が果たす役割は多岐にわたり、オリンピックの本質的価値を経済・文化の両面から支えてきました。
そんな記念硬貨とオリンピックの関係性を解説していきます。
オリンピックで記念硬貨が発行される理由
そもそも、何故、オリンピックで記念硬貨が発行されるのでしょうか。
最も大きな理由とされるのが、資金調達です。世界的規模のイベントであるオリンピックの運営には莫大な費用が必要です。
特に、70年代以降は商業化が著しく「開催が負担となる」ことも珍しくありません。そんな開催国の負担を軽減することを目的として、記念硬貨が登場するようになりました。
金や銀などの貴金属製が多い貨幣は投資性も兼ね備えており、収集家や投資家の関心を集めます。限られた期間・数量で発行されるため希少性が高く、発行時点でプレミアがつくことも珍しくありません。
巨額の費用が必要なオリンピックに対して、利益率が非常に高い記念硬貨というのは、まさに理にかなった資金調達法と言えるでしょう。
このような理由から五輪ごとに記念硬貨を発行することが、世界的な慣例として定着しています。
オリンピックと記念硬貨の歴史
さて、そんなオリンピック関連の記念硬貨は、いつ頃からはじまったのでしょうか。
本格的な発行は、1952年のヘルシンキ大会が最初です。それ以前の大会でも記念品は存在しましたが、法定通貨としての記念硬貨の発行はこの大会が嚆矢とされています。
その後、1964年の東京大会では、日本が自国初の五輪記念硬貨として100円銀貨と1,000円銀貨を発行。日本らしい意匠が注目を集め、記念貨幣の成功例となりました。
そして、1976年のモントリオール大会では、資金調達手段としての位置づけが明確になります。
モントリオール大会は、競技場の改修や運営費などの予算が膨らみ、推定で10億カナダドル(現在の日本円にして1兆円弱)もの大赤字を出すこととなりました。
このことから、モントリオール大会は「史上最悪の赤字五輪」とも呼ばれるほど、商業的には大失敗した五輪として記録されています。
この巨額の赤字解消に一役買ったのが、記念硬貨です。30種類以上発行された金貨・銀貨の売上で、赤字額のおよそ4分の1を補填することに成功しました。
その反省からカルガリー五輪では、記念硬貨の発行について、販売戦略も価格設定から対象層まで徹底的に練り上げられました。
結果的に全世界で14万枚、400億円以上の売り上げたと推定されています。こうしたことから、カルガリー大会はオリンピック記念硬貨の成功モデルの1つとして、その後のオリンピックにおける記念通貨発行の手本となっています。
オリンピックと文化振興
オリンピック記念硬貨の役割は、単なる収集品や資金源にとどまりません。
記念硬貨のデザインには、その国を象徴する自然景観、歴史的建造物、伝統工芸などが盛り込まれます。つまり、記念硬貨は自国の文化を視覚的に伝える手段でもあります。
また、記念硬貨は鋳造技術の分かりやすい証明です。
前述の通り、エッジへの刻印はカルガリー五輪の記念硬貨が初です。この革新的な取り組みを手がけたカナダ王立造幣局の技術は、世界中の注目を浴びました。
その後、バンクーバー五輪に際して発行した記念硬貨が国際貨幣協会をはじめとした数々の賞を受賞しています。
そして、記念硬貨はデザイン性にも優れており、美術品としての価値も認められています。
このように記念硬貨は、経済的な実利だけではなく、国の文化や技術を内外に示すプロモーションツールとしても活用され、開催国の文化振興においても重要な役割を果たしています。
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