スイス 1999年 ワイン祭記念100フラン金貨とは?
人類の歴史を語る上で、酒の存在は切っても切り離せません。先史時代、農耕が始まる以前から飲まれていたという説もあるほど、酒は人類と密接に関わっています。
また、同時に「酒を作る」ことが文化としても広まりました。そして、その文化を次世代に継承することを目的としたお祭りも世界各地で開催されています。
この金貨は、スイス南西部のヴォー州ヴヴェイで開催されるワイン祭りを記念した硬貨です。
基本情報
発行国 | スイス |
発行年 | 2003年 |
素材 | 金(Au 0.900) |
額面 | 100スイスフラン |
重量・直径 | 23g / 34mm |
図案(表) | 「FÊTE DES VIGNERONS 1999」 葡萄の葉や房を中心にした装飾的デザイン |
図案(裏) | スイスの国名「CONFOEDERATIO HELVETICA」 スイスの国章である十字架 |
図案の表面に刻まれた「FÊTE DES VIGNERONS (フェット・デ・ヴィニュロン)」は、フランス語で「ワイン生産者の祭り」という意味です。
17世紀頃からはじまったとされる祭りは、元は地元のワイン生産者のパレードだったようですが、現在では開催期間中に100万人以上が訪れる大規模な祭りとなっています。
その歴史ある祭りへの敬意、そして、「隠れたワイン生産国」と称されるスイスのワイン作りへの思いが詰まった金貨と言えるでしょう。
ヴォー州ヴヴェイのワイン祭り
祭りの舞台であるヴヴェイは、スイスの南西部に位置するヴォ―州に属します。
レマン湖に面する自然豊かな街であり、コーヒーで有名なネスレの本社もこの街にあります。また、喜劇王チャップリンが晩年を過ごした街としても有名です。
そんな普段は静かな街が、およそ20年に1度、大盛り上がりするのが、このワイン祭りです。
ワイン生産者に敬意を
ワインに限らずお酒の祭りと言えば、その年にできたお酒を楽しみ、飲めや歌えやの大騒ぎになることが一般的ではないでしょうか。
フランスのボルドーのワインフェスやドイツのオクトーバーフェストなどは、その代表とも言える祭りです。
しかし、このワイン生産者の祭りは、それとは毛色の違う祭りになっています。
そもそも、この祭りはヴヴェイのワイン生産者組合が毎年の総会の後に地元でパレードを催し、そこでワイン文化と最も功績のあった生産者を称えたのがはじまりとされています。
そのため、この祭りの主役となるのは、地元でワインを作っている生産者です。もちろん、美味しいスイスワインも楽しめますが、非常に文化的な側面を持つ祭りとなっています。
100年に4回の理由とは?
地域のワイン造りの伝統と文化を称える祭りであったフェット・デ・ヴィニュロンは歴史と伝統的な文化が評価され、2016年にユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。
ただ、昨今は祭りの規模が大きくなっており、最新の開催となった2019年の祭りでは、1億スイスフラン(約108億円)もの予算が組まれたとされています。
そのような大規模な祭りですが、開催が約20年おきという、なんともアバウトな頻度で実施されていることも、1つの特徴です。
大規模化するなかで予算の問題があることも確かに想像できますが、それよりもフェット・デ・ヴィニュロン自体が、生産者のお祭りであることも大きな理由ではないでしょうか。
フェット・デ・ヴィニュロンの開催は地元のワイン組合が中心となって行われます。そして、この組合の世代交代と祭りの開催時期には、大きな差がありません。
つまり、この祭りは生産者の世代交代を意味しており、当代の生産者たちの総決算がこのワイン祭りなのかもしれません。
隠れたワイン大国 スイス
ワインの産地としてなじみ深いのは、やはりフランスとイタリア、そして、スペインでしょう。この3か国だけで世界に流通するワインのほぼ半分を生産しています。
しかし、実際のところ、ポルトガルやドイツ、ハンガリーなどヨーロッパ各国で、各国の伝統や文化が反映されたワインが生産されており、スイスもその1つです。
ヨーロッパが誇る「隠れた」ワイン大国の実情に迫りましょう。
スイスのワイン事情
スイス人は、世界でも有数のワイン好きとして知られています。
事実、スイス国内で生産されるワインの生産量は年間約1億リットル程度ですが、消費量は2億リットルとされ、消費するワインの半分を輸入に頼っている状況です。
そのためスイスワインは、ほぼ国外へ出回ることがありません。このような事情から海外市場に出回るスイス産ワインは、品質と希少性も相まって非常に高値で取引されています。
また、スイス全土でワイン造りが行われているということも特筆すべき点でしょう。
国土が全体的にブドウの生育に適していることも確かですが、固有のブドウの品種も多く、全土で味わいの異なるワインが数多く生産されています。
加えて、その歴史から、フランスやドイツとの交流も多かったスイスは、それぞれの国の影響を受けたワイン造りを行っている生産者も少なくありません。
レマン湖の湖畔で育ったワイン
レマン湖の北岸にあるヴヴェイをはじめヴォ―州一帯は、「ラヴォーのブドウ畑」として世界遺産にも登録されるほどのブドウの一大産地であり、同時にワイン産地です。
そんなヴォ―州のブドウは白ブドウのシャスラと呼ばれる品種が中心です。
スイス全土では赤ワイン用のガメイ、ピノ・ノワールといった赤ワイン用の品種と白ワイン用の品種の生産は半々ほどですが、ヴォー州では圧倒的に白ワインが主流となっています。
そのお味はというと、「これぞ白ワイン」と言われるほどのフレッシュで軽やかな酸味が特徴です。
また、ミネラルを思わせる清涼感、柑橘類の風味と旨味を備えていることから、食通の間では「最後に辿り着くワイン」とも称されることもある味わいのワインです。
そして、このスイスの白ワインと合わせたいのが、チーズ料理です。
主張しすぎないワインが、スイス伝統のチーズフォンデュやラクレットと見事に合わさり、口の中で見事な音色を奏でてくれることでしょう。
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ヴヴェイのワイン祭を記念した100フラン金貨には、葡萄の房や葉を繊細に表現した美しいデザインが施されており、この地に根付くワイン造りの歴史と文化を象徴しています。
発行枚数も少なく、国内外のコレクターから非常に高い人気を誇ります。
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