記念貨幣干支シリーズにまつわる干支のお話
中国に由来する干支。その年の縁起物でもある干支は、本場中国以外でも多くの国で記念貨幣の図柄になっています。
そのなかでも、ひときわ有名なのが、今回紹介するクック諸島が発行する干支シリーズです。
基本情報
発行国 | 英連邦クック諸島 |
発行年 | 2008年~ |
素材 | 金(99.99%) |
額面 | 100ドル(ほかにも種類あり) |
重量・直径 | 15.7g / 33mm |
図案(表) | エリザベス2世の肖像 |
図案(裏) | 干支(発行年の干支がデザインされる) |
干支シリーズの記念貨幣を発行している国は意外と多く、例えば中国の干支シリーズは、中国らしい書や文様と融合した伝統的なデザインが毎年注目を集めています。
ほかにも干支シリーズの記念貨幣を発行している国は数多くありますが、クック諸島の干支シリーズの魅力は何といってもデザインです。
その年の干支を中心に、梅や松、朝日や小槌などの縁起物を配したデザインは、見ているだけで運気を呼び込むように思えます。
日本人や中国人向けの贈答用として人気ですが、縁起物として室内に飾るのも良いでしょう。
干支とは何か 意外と知らない干支の歴史
年賀状やカレンダーでおなじみの「干支」は、私たちの生活に深く根付いた文化のひとつです。しかし、その成り立ちや本来の意味を理解している人は意外と少ないかもしれません。
単なる動物のイメージにとどまらない、干支の奥深い世界を紐解いてみましょう。
十二支と十干、合わせて干支
干支とは、本来は十干(じっかん)と十二支を組み合わせた60通りの暦の体系を指します。
十干は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の記号です。一方、十二支は物事の順序を表すために用いられた12の記号で、もともとは動物とは関係のない抽象的な概念でした。
この二つを順番に組み合わせた「六十干支」は、年・月・日・時間・方角など、あらゆる時間や空間の記録に使われました。
干支は中国から日本にも伝わり、飛鳥時代以降の律令制に取り入れられ、次第に庶民の生活にも浸透していきます。たとえば「還暦」が60歳で祝われるのも、干支が一巡する周期に由来しています。
干支の始まりとその背景
干支のうち、十干は紀元前1300年頃の殷王朝時代にはすでに使用されていたことが、甲骨文字の記録からも確認できます。当時の十干は太陽の巡りと関連づけて日付を表す記号として用いられていたようです。
その後、紀元前1000年頃の周の時代になると十二支が加わり、十干と十二支の組み合わせによる「六十干支」が確立しました。
これにより、日付だけでなく年月や時間まで表現できるようになり、占星術や政治判断にも応用されていきます。
さらに、春秋戦国時代になると、五行思想と結びつき、干支は自然哲学や宇宙観とも融合して、東アジア文化圏における基礎思想のひとつへと発展を遂げていきました。
実は動物の話は後付けの設定だった?
干支といえば、今でこそネズミから始まる12の動物が広く知られていますが、もともとの十二支に動物の意味はありませんでした。
十二支はもともと順番や方位などを表すための単なる記号にすぎず、非常に抽象的なものでした。
動物が割り当てられたのは、干支が成立してから1000年以上後の後漢時代のこと。民衆に親しみやすくするため、各支に動物をあてはめる工夫がなされました。
子=ネズミ、午=ウマといった具合に、身近な動物に置き換えられたことで、記憶に残りやすくなり、庶民の間にも急速に広まっていきました。
これが、現在のような「干支=動物」というイメージの定着につながっています。
干支と暦、そして現代での使われ方とは
干支は単なる年の象徴ではなく、暦や天文学と密接に結びついた重要なシステムです。
十干と十二支の組み合わせによって時間や空間を体系的に整理し、国家の政治判断や農業の暦にも用いられてきました。
この節では、干支と暦の関係性、そして現代での干支の使われ方について詳しく見ていきましょう。
暦の支配は政治の支配
古代中国において、暦を制定し公布する権利は皇帝のみに与えられていました。暦は人々の生活リズムを司るものであり、それを支配することは「天下を治める」ことと同義だったのです。
干支は年・月・日・時間を60の周期で管理できる記号体系として非常に実用的で、天体観測による高い精度を背景に、国家の公式な暦制度に組み込まれていきました。
天の秩序を地上に反映する暦は、王の統治の正当性、すなわち「天命」の象徴です。
干支の運用は、単なる時間管理を超えて、王権の神聖性を支える政治的な道具でもありました。
天体観測と十二支の関係
干支と暦が結びつく背景には、古代中国の高度な天体観測が存在します。特に約12年で天を一周する木星は、歳星とも呼ばれ非常に重要な天体でした。
木星の軌道を基に天球を12等分し、各領域に十二支の記号を対応させたのが、十二支誕生の由来とされています。
この区分は、年の循環だけでなく、方角や時間帯の分類にも応用され、後の時代には空間と時間を体系的に把握する仕組みとして機能することとなります。
こうした天文学に基づく干支の体系は、単なる占いや迷信ではなく、膨大な観測と緻密な理論に支えられた実用的な暦制度だったと言えるでしょう。
干支の民間への普及
干支は、もともと国家の公式な暦制度として用いられていましたが、次第に庶民の暮らしにも浸透していきます。
農作業の吉凶を判断する際には干支が参考にされ、建築や移動の際には「丑寅の方角」など、方位と組み合わせて活用されました。
また、生まれ年の干支から性格や運命を占う風習も定着し、庶民の間で干支は実用と信仰が入り混じった存在となります。
干支に動物が割り当てられたことで、年賀状や干支飾りなどの文化にも発展し、今では毎年の楽しみのひとつとして親しまれています。
こうして干支は、単なる暦記号を超え、生活文化の一部として今日まで受け継がれているのです。
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干支シリーズの記念貨幣は、単なるコレクションを超え、古来より受け継がれてきた縁起の良さを感じられる特別な品です。
毎年1枚ずつ発行され、12年かけて集める楽しみも魅力の一つですが、お手持ちの干支記念貨幣を手放すことを考えているなら、専門知識豊富な金貨買取本舗にお任せください。
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