オリンピックはなぜはじまった? オリンピック開催100周年記念金貨で開催までの歴史を解説
1896年、国際的なスポーツの祭典としてオリンピックの開催がはじまりました。以降、4年ごとに世界をまわり、そのたびに新しいドラマを生み出してきました。
この記念硬貨は、1996年にオリンピック開催100周年を記念して発行された金貨です。
基本情報
| 発行国 | フランス |
| 発行年 | 1994年 |
| 素材 | K22(=金92%) |
| 額面 | 500フラン(当時のフランスの通貨単位) |
| 重量 | 16.97g / 28 mm |
| 図案(表) | マリアンヌ(フランス共和国の象徴的人物)の頭像 →ライオンのマスクで覆われたデザイン |
| 図案(裏) | エッフェル塔を背景に、弓を構えるヘラクレス →彫刻家アントワーヌ・ブルデル『ヘラクレス・アーチャー』 |
1896年の第1回アテネ大会からはじまった近代オリンピック。
1996年の開催100周年を記念して、開催に尽力したクーベルタンの出身国フランスと第1回開催国であるギリシャなど、各国が記念硬貨を発行しました。
その一環で、フランスでも「1896-1996 Olympic Centennialコイン・プログラム」として、金貨1種と銀貨2種というセットが販売されました。この金貨はそのうちの1枚です。
近代オリンピックのはじまり
1996年のアメリカ・アトランタ大会ですでに100周年、次回開催となる2028年のロサンゼルス大会には130周年を超えるほど続く、世界的なイベントのオリンピック。
世界が熱狂する国際的なスポーツの祭典は、どのようにしてはじまったのか。オリンピック開催の源流に迫りましょう。
スポーツで世界を平和に
オリンピックの開催の歴史を紐解くには、19世紀後半のヨーロッパ事情に目を向けなければなりません。
当時、ヨーロッパ諸国は市民革命や戦争により新しい政権や国家が生まれては消えていく、という終わりの見えない混乱の真っ只中にありました。
そのなかで、「スポーツという共通言語での国際交流は、平和につながる」という、のちの「オリンピック精神」と呼ばれる理念を提唱、オリンピックの発案者となったのが、フランスのピエール・ド・クーベルタンです。
彼は、イギリスのパブリックスクールで行われていたスポーツによる紳士教育に、国民の人格形成への有効性を見出し、ライバルと平和的に競い合う場として国際的な大会の開催を提唱しました。
のちに彼を中心とした賛同者によって1894年に国際オリンピック委員会が設立されることになります。
アテネで開催された理由
大会委員会が組織され、「オリンピック」が現実味を帯びてきたなかで委員会は開催地に悩むことになります。
当時のヨーロッパ諸国は各々の利害関係のもと、世界各地で衝突を繰り返していました。当然、どこかの国で開催すれば、選ばれなかった国は面白いはずがありません。また「平和の祭典」を掲げている大会のコンセプトにも反することになります。
開催地は誰もが納得できる場所である必要がありました。
そこで手を挙げたのが、ギリシャです。
当時のギリシャは西欧の市民革命や各地の民族運動の影響を受け、国民の間で「民族の誇りを取り戻したい」という感情が強まっていました。そこへ古代オリンピアとの象徴的なつながりを持つ国際大会の開催は、民族としての伝統を継承するという意味でもうってつけのイベントでした。
また、19世紀の欧米では新古典主義、つまりはヨーロッパの文化・芸術・民主主義の源泉である古代ギリシャ文明を尊重する動きが高まっていました。
クーベルタン本人も「第1回はパリでやりたい」という気持ちもあったようですが、同時にギリシャへの敬意も持ち合わせていたことから、多くの代表の「ギリシャこそふさわしい」と推す声に同意し、1986年のアテネ大会の開催が決まりました。
オリンピックの抱える問題
崇高な目的の元ではじまったオリンピックでしたが、現在開催された2024年のパリ大会までの33回のなかで、まったくトラブルがなかったわけではありません。
国際大会という性質上、時にはクーベルタンが提唱したオリンピック精神を忘れたような大会があったことも事実です。
今一度、クーベルタンの思いを思い返すためにも、現代オリンピックの抱える問題を提起しましょう。
オリンピックは「平和の祭典」となりうるのか?
1980年のモスクワ大会、つづく1984年のロサンゼルス大会は東西冷戦が苛烈さを増すなかで、東西諸国がお互いに大会参加をボイコットしあうという事態となった2大会です。
本来、政治的ないさかいを脇におくはずのオリンピックが政治的メッセージを発信する場所になってしまった点で、反省すべき大会と言えるでしょう。
また、歴史を遡れば「ヒトラーのオリンピック」と酷評された1936年のベルリン大会、新しいものであればチベット問題に多くの著名人が抗議した2008年の北京大会、イスラエルやロシアの参加を認めたことに大きな反発のあった2024年のパリ大会など、決して「平和」とは言えない事情があった大会も少なくありません。
巨額の開催費をどう工面するのか?
オリンピックの開催費用は回を追うごとに増大しています。
今や全世界の国から参加者が集まるほど国際化したイベントである以上、宿泊施設や大会競技場などの整備に費用がかかることは無理もありませんが、2016年のリオ大会は約1兆3000億円、2024年のパリ大会も約1兆4700億円という途方もないお金が動いています。
オリンピックの開催は、都市の発展や国威発揚などに大いに役立つことは間違いありません。その一方で、これだけの資金を1都市の税金だけで賄う、というのはもはや限界に近いと言えるでしょう。
環境問題にどう対応するか?
オリンピックを開催するとなると、都市開発は避けられません。それに伴う森林伐採や大気汚染、水質汚濁などは環境問題に対する意識の高まった80年代以降のオリンピックではたびたび議論の対象となる問題です。
開催立候補を取り下げる理由の1つに環境問題を挙げる都市が少なくないことからも、多くの人々がオリンピック開催の環境負荷を危惧していることが分かります。
また、都市開発に伴う「ハコモノ」の取り扱いも重要な問題です。
開催のためだけに作られた施設が撤去もされず、維持費だけを支払い続けているという例は数多くの開催地で見られます。開催期間だけ乗り切ればよいという姿勢は、もはや、誰も許してはくれないでしょう。
オリンピック100周年記念硬貨の買取は金貨買取本舗まで
1896年のアテネ大会から100年を祝して発行された記念硬貨は、近代オリンピックの節目を象徴する特別な一枚です。発行数の限られた希少性に加え、歴史的価値の高さから、近年ますます注目が集まっています。
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