国際連合設立50周年記念金貨のデザインと希少価値について

1945年10月、51か国の加盟国で国際連合が設立されました。
国際連合は、国際平和と安全の維持、経済・社会・文化などに関する国際協力の実現を目的としています。
その設立50周年を記念して1995年にイギリスで発行されたのが、「国際連合設立50周年記念金貨」です。
国際連合の意義を象徴するデザインとなっており、コレクターの皆さんであれば1枚は手に入れておきたいところでしょう。
そこで本記事では、この記念金貨のデザインや希少価値についてご紹介します。
国際連合設立50周年記念金貨の概要

1945年、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の反省を踏まえて、新たに国際連合が設立されました。
国際連合設立50周年記念金貨とは、その設立50周年を記念して1995年に英国王立造幣局より発行された2ポンド硬貨を指します。
直径は28.4mm、重さは15.98g、品位はK22です。
国際連合設立50周年記念金貨のデザイン

国際連合設立50周年記念金貨の表面には、「NATIONS UNITED FOR PEACE 1945-1995」(平和のために集合した国家群)という文字と、国際連合のエンブレム、旗が描かれています。
国際連合のエンブレムは、北極点を中心にした世界地図と平和の象徴であるオリーブの枝というデザインです。
これには、国際連合が関わる地域に「平和と安全」をもたらすという祈りが込められています。
ちなみに、オリーブが平和の象徴と言われているのは、旧約聖書のノアの方舟の物語に、「神が起こした大洪水のあと、陸地を探すためにノアの放ったハトがオリーブの枝をくわえて帰ってきた」というくだりがあるからです。
一方、裏面には、王冠を被ったエリザベス2世の横顔が描かれています。
この王冠は、ダイヤモンド・ダイアデムと呼ばれている物です。
169個のパールと1,333個のダイヤモンドが飾られた豪華なデザインとなっています。
もともとは、1820年にジョージ4世のために作られた王冠で、その後は歴代の女王や王妃がさまざまな行事で着用。
エリザベス2世は、即位後の最初の国会開会式にてはじめてこの王冠を被り、それ以降も国会関連の行事で着用していました。
なお、エリザベス2世の葬儀にて棺の上に置かれた王冠が話題となりましたが、それとは別物です。
その他、裏面には「ELIZABETH・Ⅱ・DEI・GRATIA・REGINA・F・D」と「TWO PONDS」という文字も彫られています。
この「DEI・GRATIA・REGINA・F・D」とは、ラテン語で「神の恩寵による女王」の意味で、エリザベス2世の治世中に発行された硬貨であることを表しています。
国際連合設立50周年記念金貨の希少価値
国際連合設立50周年記念金貨は、金の純度が高いこととコレクターズアイテムとしての付加価値がつくことから、投資的価値もあります。
事実、2024年10月時点では十数万円~20万円ほどで取引されています。
なお、次のような条件を満たしている場合は、さらに高値が期待できます。
- 傷や擦れがない
- 密閉ケースを使って劣化防止してある
- 鑑定書がついている
- 未使用である
投資目的で国際連合設立50周年記念金貨を所有している方は、これらの点に留意して大切に保管しておきましょう。
エリザベス2世が描かれた金貨の価値について
2022年9月8日、イギリス国民から深く愛されたエリザベス2世は、96歳と140日で崩御されました。
女王としての在位期間は70年7か月もあり、イギリス史上最長在位の君主です。
この在位期間中、国際連合設立50周年記念金貨を含め、エリザベス2世を描いた硬貨がいくつも発行されました。
とはいえ、硬貨に描かれるのは一般的に新たに即位した国王や女王の肖像ですから、エリザベス2世を描いた硬貨の流通量は減少していく可能性があります。
その場合、国際連合設立50周年記念金貨の価値は、さらに高まることでしょう。
国際連合設立50周年記念金貨についてのまとめ
国際連合創立50周年記念金貨は、文字通り国際連合設立50周年を記念して発行された硬貨です。
表面のデザインは国際連合のエンブレム、裏面にはダイヤモンド・ダイアデムを被ったエリザベス2世の肖像が彫られています。
日本国内での流通量がとても少ないため、取引市場では十数万円~20万円ほどの高値がついています。
すでに入手している方は、保存状態に十分留意しておけば、より価値を高めていけるかもしれません。
「お手元の金貨の価値を知りたい!」という方は、『メール』や『LINE』『お電話』からお気軽にお問い合わせください。