アトム生誕記念硬貨とは? 漫画の神様が伝えるメッセージ
日本人ならば誰もが知る「漫画の神様」手塚治虫。
彼の代表作の1つが1952年から連載がスタートした『鉄腕アトム』です。連載からすでに半世紀以上経ちますが、未だに高い人気を誇ります。
そんなアトムの誕生年である2003年に販売されたのが、この記念硬貨です。
基本情報
発行国 | シエラレオネ共和国 |
発行年 | 2003年 |
素材 | 金貨:純金(K24、99.99%) 銀貨:純銀(99.9%) |
額面 | 500ドル金貨 100ドル金貨 150ドル銀貨 10ドル銀貨 |
重量・直径 | 500ドル金貨:約31.1g、直径約32.7mm 100ドル金貨:約6.22g、直径約22.7mm 150ドル銀貨:約31.1g、直径約38mm 10ドル銀貨:約31.1g、直径約38mm |
図案(表) | アトムキャラクターたち(額面で異なる) |
図案(裏) | シエラレオネの国章(ヤシ・ライオン・盾) |
西アフリカのシエラレオネ共和国が2003年に発行したのが手塚治虫の名作『鉄腕アトム』の主人公であるアトムの生誕記念硬貨です。
アトムは海外でも「ASTRO BOY」として知られており、非常に高い人気を誇ります。
世界中のアトムファンに向けて発行された、この硬貨はシエラレオネの外貨獲得や国際的な知名度向上を目的としたものです。また、生き生きとしたキャラクターのデザインは、イギリスのBritish Pobjoy Mintが担当しています。
神様の生んだロボット
1947年の『新宝島』で爆発的ヒットを飛ばし、その後も『ジャングル大帝』『ロストワールド』など次々に話題作を連載していた手塚治虫が、1952年に連載を開始したのが、鉄腕アトムです。まずは、主人公のアトムについて解説しましょう。
実は最初は脇役だった?
天才科学者である天馬博士によって生み出されたアンドロイドがアトムです。身長135cm、体重30kgという小学生ほどの見た目に反し、10万馬力というとてつもないパワーを秘めています。
また、人の気持ちを理解し涙を流す心を持っているために差別や科学の力に苦悩するというシーンも多いキャラクターです。
そんなアトムですが、元は1951年に雑誌『少年』で連載されていた『アトム大使』という作品で登場します。この作品は、ロボットに関する政治的・社会的な動きを中心に描かれており、そのなかでアトム自身は脇役的な立ち位置で、物語の象徴として描かれました。
『アトム大使』の連載は1年ほどで終了しますが、出版社が「もっとアトムを主役にした物語を」と熱望し、『鉄腕アトム』が連載開始されます。
日本アニメのはじまり
今なお、世界中で愛され続ける『鉄腕アトム』ですが、同時に、今日まで続く日本の漫画・アニメ文化の先駆けとなった作品でもあります。
たとえば、キャラクターが別作品に登場するスター・システム。
確かに世界中のフィクションで似た発想はあります。しかし「俳優が作品をまたいで別役を演じる」という考え方を明確にし、体系化したのは手塚治虫が最初と言っていいでしょう。
事実、アトムの理解者であるヒゲオヤジこと伴俊作も、アトム以前の作品でたびたび登場していました。
また、キャラクターの商標権を得た日本初の作品です。
当時、キャラクター商品といえば著作権者の許諾のない海賊版が当然であり、その利益は制作会社には全く入らないという状況でした。
しかし、ディズニーの許諾使用の方法を手塚が適用したことで、アトムの使用料が入るようになり、赤字体質だった制作会社を救うことに成功しています。
『アトム』の問いかける現代の問題
世間の『アトム』に対する高い人気の一方、手塚自身は『鉄腕アトム』を「駄作」「好きな作品のトップ100にも入らない」と自虐的に評価しています。
悪書追放運動のなか、明確に「子どもウケ」を狙ったことが理由とされていますが、それ以上に自身の描きたかったテーマと乖離したことも一因とされています。
手塚治虫が描いた『鉄腕アトム』
手塚自身が言うように、『鉄腕アトム』という作品は、正義の心を持ったアトムの勧善懲悪に焦点が当てられることがほとんどです。
しかし、手塚が描きたかったのは、人間とロボットの共生や差別、科学の進歩の光と影といった深いテーマとされています。
事実、物語のなかではアトムに批判的な人間や、アトラス、プルートゥ、そして青騎士を代表としたアトムと敵対するロボットも数多く登場します。
また、そのことにアトム自身が悩む描写も少なくありません。このことから『鉄腕アトム』が単なる勧善懲悪の物語に留まらないことが分かります。
ロボットと人間は共存できるのか?
手塚が『鉄腕アトム』を通じて伝えたかったメッセージは、科学技術が発展した現代だからこそ痛烈にささるものが少なくありません。
たとえば、AIの発展。AIによって、人間の生活が豊かになったのは間違いありません。しかし、一方で軍事転用されロボット兵器の実用化が進んでいることもまた事実です。
土木工事用にと開発されたダイナマイト、新時代のエネルギーとして期待された核技術など、科学には負の側面が必ず付きまといます。
科学の発展は今後も続くでしょう。それに対して、どう向き合うのか。手塚治虫のメッセージに対する答えを、私たちは用意するべき時に差し掛かっているのかもしれません。
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