ツバル ホース金貨
人類はさまざまな動物の力を借りて発展してきました。
たとえば、犬。現在では愛玩動物としての側面も大きい犬ですが、元は狩りのための仲間でした。
たとえば、羊。その毛は抜群の保温性を持ち、現代においても生地として使用されています。
数々の動物とともに文明を築いてきた人類ですが、そのなかでも交易や戦争のあり方、人類社会そのものを一変させるほど影響した動物といえば、やはり馬でしょう。
そんな馬がデザインされた記念硬貨を紹介します。
基本情報
| 発行国 | ツバル(Tuvalu) |
| 発行年 | 複数・2000年代初頭~2010年など、複数の年があるシリーズ |
| 素材 | 金99.99% |
| 額面 | 発行年度・シリーズによる(30~50ドルなど複数) |
| 重量 | 30ドル 1/4トロイオンス、50ドル 1/2トロイオンス(発行年度・シリーズによる) |
| 図案(表) | エリザベス2世(Queen Elizabeth II)の肖像、発行年・国名“TUVALU”などが刻印 |
| 図案(裏) | 「Galloping Horse(疾走する馬)」を描いた馬のデザイン、馬の周囲に「9999 GOLD」「額面/発行年」などの文字が配置 |
馬は漢字文化圏における「干支」の1つであると同時に、西洋文化圏においても「軍事力」「経済力」を示す重要な指標です。
そのため、洋の東西を問わず縁起物として扱われ、それをデザインしたコインもまた、開運や吉兆を運ぶお守りとして扱われることも少なくありません。
ツバルが複数回にわたり発行している馬をデザインした記念硬貨は、特に干支を意識したつくりとなっており、中国を中心としたアジア市場で人気のデザインとなっています。
人類と馬の歴史
人類にとって馬は単なる生き物以上の意味を持ちます。古くから馬は、速さ・力強さ・高貴さの象徴として、数々の神話や宗教儀礼にも登場しています。
ギリシャ神話の天翔けるペガサスや北欧神話の軍馬スレイプニルなどは、その代表ともいえる存在です。それだけ人類と馬が古くから関わってきたという証拠と言えるでしょう。
現代においても、「人馬一体」と言われるように、馬が人々の心象や歴史に深く根付いている言葉や風習は少なくありません。
そんな馬と人類の歴史を振り返っていきましょう。
馬と人類の出会い
ウマの祖先は、今から約5200万年前に誕生したと言われています。
もとは熱帯雨林で生活していましたが、地球環境の変化から草原での生活に適応して進化したのが、最初期のウマであるエオヒップスです。
また、このとき枝分かれし、森林地帯での生活を選んだのがバクやサイの祖先となります。
身を隠すものがない草原という環境で生き延びるためには、いち早く敵を見つけ逃げるよりほかに手段がありません。
そう考えたエオヒップスをはじめとしたウマの祖先は、時代を経るにしたがって、徐々にしなやかさと高い背を獲得するに至りました。
そして、ひたすらに「速く走る」ことに特化しつづけた現生馬の祖先が約400万年前の北アメリカ大陸に誕生します。
しかし、北アメリカでは更新世末に野生馬が絶滅、生き残った系統がユーラシア大陸に渡り、現在のカザフスタン周辺のステップ地帯で定住をはじめました。人類と馬は、このころに出会ったと言われています。
その後、約6000年ほど前から、人類は野生馬を家畜として飼いはじめました。最初期はほかの羊や牛と同様に、食肉用や乳用として活用していましたが、のちに馬だけは別の用途が主となっていきます。
馬がもたらした革命
ほかの家畜動物と比較すると、馬の圧倒的に優れている点は、その足の速さと乾燥地でも動けるスタミナです。
最高時速30km前後、適切な休憩を挟めば1日で60km以上を走破することも難しくない馬は、いつのころからか人の重要な移動手段として用いられるようになっていきました。
特に、紀元前2千年紀ごろに軽くて丈夫なスポーク車輪が登場すると、オリエント地域や地中海一円では、馬に曳かせて戦うチャリオットが発展していきます。
また、馬の体躯そのものが、背が高く、人が直接騎乗できる体型であったために、ステップ地域では直接騎乗するスタイルが生まれることとなります。
いずれにせよ、人間を遥かに超えた機動力を活かし、敵軍を突破する戦車兵や騎馬兵は数々の戦いで活躍、次第に優れた馬を何匹も持っているということが、強い軍隊、強い国家の条件となっていきました。
馬がもたらした交易路
古代において、馬は飼育コストや飼育場所の問題から、一般市民が触れ合うような存在ではなく、王や貴族たちのものでした。
しかし、それもローマ帝国の時代になると、軍事用だけではなく荷を曳くための存在として、農耕や馬車といった形で徐々に一般にも普及し始めます。
また、中国では漢代に鞍や鐙が発明されたほか、中世の北ヨーロッパでは鉄製の蹄鉄・首掛け式の馬具が発明されると、いよいよ馬はより速く、そして、長距離を運べる動力源として活用されていきます。
その結果、アジア・ヨーロッパ圏では大陸を横断するほどの長大な交易路が発展していきました。漢とローマを結んだシルクロードはその代表的な例と言えるでしょう。
それ以外にも、ローマ帝国やモンゴル帝国のような大帝国の街道は、馬の存在があったからこそ発展したと言っても過言ではありません。
現代の馬と人
15世紀に入ると、造船・航海技術の発展もあり、次第に遠隔地交易の主役は馬から船舶へと移っていきます。
近距離での交易にはその後も使われ続けましたが、19世紀に馬よりも遥かに巨大な力を生みだすことができる蒸気機関が登場すると、軍事や農業における馬の役割というのは失われてしまいました。
しかし、だからと言って、人類と馬との関係が失われた訳ではありません。現代においても、馬はスポーツや娯楽、そして、文化といった面で欠かせない存在です。
たとえば、競馬。賭け事としての面が強い娯楽ですが、一方で馬と騎手を純粋に応援する人も多く、時としてアイドル並みの人気を誇る馬が登場することも珍しくありません。
また、乗馬は生涯のスポーツです。年をとってからでもはじめられるスポーツとして、近年、人気が高まっており、各地の乗馬教室は子どもからお年寄りまで、さまざまな年齢層の人が汗を流しています。
そして、文化面では日本の流鏑馬や相馬野馬追、モンゴルの国家的祭典ともいえるナーダム祭、スペインはメノルカ島のサン・ジョアン祭のように、神前での奉納競技として世界各地に残り続けています。
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ツバルが発行したホース金貨は、優美な馬の姿をモチーフにした美しいデザインで知られています。
古来より力強さや俊敏さ、気品の象徴として人々を魅了してきた馬の姿が刻まれたこの金貨は、コレクター心をくすぐる一枚です。
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