普段、私たちが何気なく使用している硬貨。
その日本の通貨が「円」に統一されてから、150年以上が経過していることをご存じでしょうか。
この節目を記念して発行されたのが「近代通貨制度150周年記念貨幣」です。
ラインナップは、1万円金貨、5,000円金貨、1,000円銀貨の3種類です。
また、「円誕生150周年貨幣セット」も販売されました。
コレクションとして保管している方や、現在の価値がどのくらいなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、近代通貨制度150周年記念貨幣の種類や特徴に加え、現在の価値についても整理します。
近代通貨制度150周年記念貨幣とは?
「近代通貨制度150周年記念貨幣」は、1871年に日本の通貨制度が始まって150年となる節目を記念して、2021年に造幣局から発行された記念貨幣です。
日本の通貨制度は、1871年に公布された「新貨条例(しんかじょうれい)」によって大きく変わります。
それまでの日本では、交換比率が一定ではなかったため、通貨の仕組みは複雑でした。
その後、新貨条例によって通貨の単位が「円」に統一され、日本の通貨制度が整えられます。
こうした背景を踏まえると、本貨幣は単なる記念品ではなく、日本の通貨制度の歴史を示す記録としての意味を持つ貨幣といえるでしょう。
新貨条例の公布
江戸時代の日本では、金貨は「両」、銀貨は「匁」、銭貨は「文」といった異なる単位で流通していました。
たとえば、金貨は主に大きな取引で使われ、銀貨は商人どうしの取引、銭貨は日常の買い物で使われることが多い貨幣でした。
さらに、重さで価値を計算する場合もあり、同じ金額でも地域や取引の内容によって使う貨幣が異なることもあります。
また、当時は各藩が発行した紙のお金である「藩札(はんさつ)」も流通していました。
そのため、日本の中にはさまざまな種類の貨幣が同時に存在していたのです。
このような状況では貨幣の価値がわかりにくく、取引のたびに換算が必要になる場合もありました。
そこで、明治政府は通貨制度を整理するため、1871年に新貨条例を公布し、通貨単位を「円」に統一しました。
円の誕生
新貨条例の公布によって、日本の通貨単位として「円」が正式に定められました。
この制度では、
という十進法の貨幣体系が採用されています。
しかし、戦後になると物価が大きく上がり、銭や厘では日常の買い物に使えないほど価値が小さくなりました。
そのため1953年に「小額通貨整理法(しょうがくつうかせいりほう)」が施行され、銭と厘は通貨として使われなくなります。
この仕組みは現在の日本の通貨制度の基礎となっており、「円」という単位は当時から現在まで使われ続けています。
近代通貨制度150周年記念貨幣の種類
近代通貨制度150周年記念貨幣のラインナップは、1万円金貨、5,000円金貨、1,000円銀貨の3種類です。
3種類が用意されている理由は、収集家向けの高額な金貨と、比較的入手しやすい銀貨を用意することで、幅広い需要に対応するためです。
また、近代通貨制度150周年を記念して、令和3年銘の通常貨幣6種類とメダル1枚が入った「円誕生150周年貨幣セット」も販売されています。
次の項目では、近代通貨制度150周年記念貨幣の1万円金貨、5,000円金貨、1,000円銀貨、貨幣セットの特徴と相場について解説します。
※実際の買取価格は業者の査定基準や保存状態、市場需要によって変動します。
1万円金貨の特徴

近代通貨制度150周年記念貨幣の中でも、最も高い額面を持つのが1万円金貨です。
素材には15.6gの純金(K24)が使用されており、金そのものの価値も備えています。
| 額面 |
1万円 |
| 品位 |
純金(K24) |
| 重量 |
15.6g |
| 直径 |
26mm |
| 発行枚数 |
2万枚 |
| 発行日 |
2021年9月下旬 |
| 販売価格 |
14万5,000円 |
抽選倍率は約11.27倍で、発行枚数2万枚に対して20万2,791件の申し込みがありました。
単純計算では、およそ11人に1人しか当選しない計算になります。
近代通貨制度150周年という節目の記念貨幣であることや、純金製で発行枚数が限られていることなどから、発行当初から高い関心を集めた貨幣といえるでしょう。
2026年3月現在の相場は約40万~43万円前後です。
金相場の高騰により、額面より40倍以上の値がついています。
『近代通貨制度150周年記念1万円金貨』の詳細はこちら
5,000円金貨の特徴

日本で初めて額面5,000円の金貨が発行されたのは、近代通貨制度150周年記念5,000円金貨です。
それまでの日本の記念金貨には、この額面は存在していませんでした。
「通貨」をテーマとした記念貨幣であることから、新たな額面として5,000円金貨が試みられた可能性も考えられます。
| 額面 |
5,000円 |
| 品位 |
純金(K24) |
| 重量 |
7.8g |
| 直径 |
20.0mm |
| 発行枚数 |
|
| 発行日 |
2021年11月下旬 |
| 販売価格 |
7万6,000円 |
1万円金貨は15.6g、5,000円金貨は7.8gであり、重量には7.8gの差があります。
しかし、現在は金相場が上昇しているため、いずれの金貨も額面以上の価値を持つ状態となっています。
抽選倍率は約11.6倍となっており、1万円金貨の11.27倍を上回りました。
販売価格が1万円金貨より低かったことに加え、日本で初めての5,000円金貨であったことも、申し込みが増えた背景にあるとみられます。
2026年3月時点の相場は、19万円前後で推移しています。
純金が使用されていることから、額面5,000円に対して約38倍の価格となっています。
『近代通貨制度150周年記念5,000円金貨』の詳細はこちら
1,000円銀貨の特徴

1,000円銀貨は、近代通貨制度150周年記念貨幣の中で唯一の銀貨です。
素材には純銀(SV1000)が使用されています。
| 額面 |
1,000円 |
| 品位 |
純銀(SV1000) |
| 重量 |
31.1g |
| 直径 |
40.0mm |
| 発行枚数 |
|
| 発行日 |
2021年11月下旬 |
| 販売価格 |
1万1,700円 |
1,000円銀貨は、金貨よりも直径が大きい点が特徴です。
1万円金貨の直径は26mm、5,000円金貨は20mmですが、1,000円銀貨は40mmとなっています。
発行枚数は5万枚と金貨より多く設定されていましたが、抽選倍率は約5倍となりました。
席が1つしかないところに、5人が応募しているような状態といえます。
このことから、銀貨にも多くの申し込みが集まっていたことがわかります。
『近代通貨制度150周年記念1,000円銀貨』の詳細はこちら
デザインの意味

| 表面 |
「圓」の文字、「菊と桐」 |
| 裏面 |
原稿通常貨幣(6貨種)の図案 |
近代通貨制度150周年記念貨幣のデザインは、日本の通貨制度の歴史を象徴する図柄で構成されています。
1万円金貨、5,000円金貨、1,000円銀貨の3種類すべてに共通の図柄が採用されている点も特徴です。
【圓】
中央に配置されている「圓」という文字は、1871年に発行された金貨に使われていた文字です。
この文字は、現在の通貨単位である「円」の旧字体にあたります。
現在の「円」という漢字が広く使われるようになったのは、戦後に当用漢字や新字体が整理された1946年以降です。
近代通貨制度の始まりを象徴する表記として、この記念貨幣のデザインに採用されています。
【菊】
「菊」は日本の皇室を象徴する紋章として知られています。
日本の貨幣では古くから使われている図柄であり、日本の国家や皇室を表す意味があります。
記念貨幣のデザインでは、日本の通貨制度を象徴する意匠として配置されています。
【桐】
「桐」は日本政府を象徴する紋章として使われています。
日本のパスポートや政府機関の紋章にも用いられており、日本の国を表す伝統的な図柄のひとつです。
貨幣のデザインでは、菊と並んで日本の象徴として描かれています。
【6種類の通常貨幣】
裏面には、現在日本で流通している6種類の通常貨幣の図柄が組み合わされています。
描かれている図柄は次の6種類です。
- 桐(500円)
- 桜(100円)
- 菊(50円)
- 平等院鳳凰堂(10円)
- 稲穂(5円)
- 若木(1円)
これらの図柄をまとめて配置することで、現在の日本の通貨制度を象徴するデザインとなっています。
近代通貨制度150周年記念貨幣の価値
近代通貨制度150周年記念貨幣の価値は、素材である金や銀の価格に加え、発行枚数やコレクター需要によって決まります。
金価格
1万円金貨と5,000円金貨は純金(K24)で作られています。そのため、金の価格が上がると地金価値も上昇します。
2026年3月現在、金価格は1gあたり約27,000円前後で推移しています。
この価格を基準に考えると、金貨に含まれる金の価値だけでも額面を大きく上回る状態です。
たとえば、1万円金貨は重量15.6gの純金貨であるため、
15.6g × 27,000円=約42万1,200円
となり、地金価値だけでも数十万円に近い水準となります。
※実際の査定価格は、状態や相場により異なる場合があります。
プレミア
近代通貨制度150周年記念貨幣には、プレミア価値はあるのでしょうか。
記念貨幣の価値は、素材の価値だけでは決まりません。
発行枚数が限られていることや、収集家の需要によってプレミア価格がつくことがあります。
近代通貨制度150周年記念貨幣は
| 1万円金貨 |
2万枚 |
| 5,000円金貨 |
2万枚 |
| 1,000円銀貨 |
5万枚 |
という枚数で発行されています。
しかし、2026年3月現在はそこに対するプレミア価値などは今のところ認められておらず、使用素材の地金価格に応じた取引の対象となっています。
市場での需要
実際の市場では、オークションやコレクター市場で取引が行われています。
金価格や保存状態によって価格は変動しますが、近代通貨制度150周年記念金貨は、販売価格を上回る価格で取引される例も確認されています。
このように、近代通貨制度150周年記念貨幣の価値は金価格・発行枚数・収集需要など複数の要素によって決まります。
特に金貨は金相場の影響を受けるため、市場価格もそれに応じて変動します。
高く売るための保管方法
記念貨幣は、素材価値だけでなく、状態によって査定額が変わることがあります。
特に、傷や変色、付属品の有無などは評価に影響するポイントです。
そのため、購入後の保管方法によっては、売却時の価格に差が出ることもあります。
ケースから出さない
記念貨幣は、ケースから取り出すことで傷や指紋が付く可能性があります。
購入時の状態を保つためにも、できるだけケースに入れたまま保管することが重要です。
付属品を一緒に保管する
外箱や証明書などの付属品がそろっているかどうかも査定に影響します。
例えば1万円金貨は、特別感のある紺色の化粧箱に加え、専用のハードケース(ブリスターパック入り)と証明書がセットになった高級感のある仕様になっています。
これらがすべてそろっていることでコレクションとしての価値が保たれ、査定時の評価にもつながります。
そのため、購入時の付属品はまとめて保管しておくことが重要です。
現在の状態で買取価格を知りたい場合は、専門店に相談するのが有効です。
『こちら金貨買取本舗』では、事前のご相談にも対応しています。
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簡単!LINE査定
円誕生150周年貨幣セット-造幣局創業150周年を迎えて-
この貨幣セットは、令和3年銘の通常貨幣6種類(500円、100円、50円、10円、5円、1円)をまとめたものです。
これらの貨幣はすべて未使用の状態で収められています。
このように通常貨幣をセットにして販売する商品は、「貨幣セット(ミントセット)」と呼ばれます。
当初は4万セットの販売予定でしたが、応募が多かったため4万5,000セットに変更されています。
応募総数は12万1,266件で、倍率は約2.74倍となりました。
この数字からも、多くの人の関心を集めていたことがわかります。
まとめ
近代通貨制度150周年記念貨幣は、1871年に始まった日本の近代通貨制度から150年を迎えたことを記念し、2021年に発行された記念貨幣です。
発行された種類は、1万円金貨、5,000円金貨、1,000円銀貨の3種類です。
金貨2種類と銀貨1種類という構成で発行されており、それぞれ素材や重量、発行枚数に違いがあります。
これらの貨幣は純金や純銀で作られているため、素材価格の影響を受ける特徴があります。
特に金貨は金価格の上昇によって、額面以上の地金価値を持つ状態となっています。
素材価値や記念貨幣としての評価を踏まえた価格で売却を検討するのであれば、古銭買取専門店や記念貨幣を取り扱う業者への相談がおすすめです。
現在は金相場が高水準にあることから、とくに金貨は売却のタイミングとして注目されています。まずは最新の査定額を確認してみるとよいでしょう。
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