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金貨を収集している人のなかには、「グレーディング」という言葉を聞いた人がいるかもしれません。
このサイトでも多くの記事に記載しているので、名前だけは知っているという人もいると思います。
この記事ではコイングレーディングの概要やメリットについて解説していきます。
金貨や銀貨といったコイン業界での「グレーディング」という言葉は、「国際的に認められている第三者の鑑定機関によるランク付け」という意味です。
コインについては真贋や状態・付加価値などの面で、昔から様々な問題が発生していました。これらの問題を解決するために作られたのが、鑑定機関とグレーディングという制度です。
アメリカを中心に世界各国で20を超える鑑定機関(会社)が存在します。そのなかでも特に有名なのが、「NGC」と「PCGS」です。
この2社は創業以降圧倒的なシェアを占めており、数々のコレクターや専門店から絶大な支持を集めています。
2社ともコインに関する知識は膨大で、定量的な評価方法(70段階評価)を採用しているのが特徴です。
ほとんどの人がNGCかPCGSに鑑定を依頼すると思うのですが、グレーディングを行うためには鑑定会社に直接依頼するか、代理店を通して依頼するかの2パターンあります。
そして、グレーディングが完了したコインはスラブケースという四角形のプラスチックケースに入れられて返却されます。
このケースに入れられるということは、真贋の判定、状態の把握、希少価値の調査が完了し、客観的な評価が完了したということを意味します。
また、スラブケースには保存状態を保つという効果もあるのです。
先ほど、NGCとPCGSという2つの鑑定機関があるという話をしました。
ここでは、その2つについて解説していきます。
NGCとは、「Numismatic Guaranty Corporation」という会社の略称で、1987年にアメリカのフロリダ州に設立された会社です。
NGCのグループ会社には、古代コイン専門の鑑定期間「NGC-ANCIENT」や紙幣専門の鑑定機関も存在します。
常時数十人を超えるスタッフが在籍しており、創業以来45万枚を超えるコインを鑑定してきたと公表しています。
その実績が評価され、アメリカのスミソニアン博物館や中国上海のミントミュージアムなどから、国宝級のコインの鑑定も依頼されています。
世界中のコレクターから高い評価を得ている鑑定機関だと言えます。
PCGSは正式名称を「Professional Coin Grading Service」といい、1986年にアメリカで設立された会社です。
この会社は、今では世界共通のグレード基準である「シャルドンスケール(70段階基準)」を発明しました。
また、鑑定後のコインをスラブケースに入れてグレードを記載し、価値を客観的に把握するという現在行われているグレーディングの基礎を築いた会社です。
100を超える国と地域で鑑定を依頼されており、特にアメリカコインの鑑定では他を圧倒しています。
両社には鑑定できるコインに細かい違いがあります。アンティークコインの鑑定はNGCではできますが、PCGSではできません。逆に、PCGSでは日本の小判を鑑定できますが、NGCでは鑑定を行っておりません。
鑑定を依頼する際は、自分の持っているコインと相談して決めるとより正確な評価が得られることでしょう。
グレーディング最大のメリットとも言えるのは、ずばり真贋がハッキリ判明するということです。
希少性の高いアンティークコインは数十万円から数百万円を超えるものまであります。真贋がわからないものにここまでの大金を払うのはあまりにもリスクが伴い危険です。
しかし、グレーディングが完了しているコインの場合は購入を検討しているコインが本物か偽物かがハッキリわかります。
コレクター経験が浅く、自分で真贋が判定できないという方には嬉しいですね。
ですがごくまれにスラブケースが偽物だったり、中身のコインがすり替えられていることもあるので、注意が必要です。
グレードは70段階の数字で表され、NGCやPCGSでは数字が大きいほど状態が良いことを意味します。
また、数字の前にアルファベットが記載されることがあり、これがコインの状態を示しています。
例
PF=プルーフ
FDC=パーフェクト完全未使用品
AU/UNC=純未使用品
グレーディングが完了したコインは、鑑定会社にそのデータが蓄積されます。そのため、自分の買いたいコインがどのグレードに何枚あるのかがわかるのです。こうして、コインの希少性が確認できるのもグレーディングのメリットのひとつです。
グレーディングが行われ、評価が付けられたコインはスラブケースに入れられた状態で返却されます。評価が付かなかったコインについてはそのままの状態で返却されます。
このケースは耐久性が高いので自宅や銀行の貸金庫での保管に適しています。ただし、強すぎる衝撃や水没などには耐えられない可能性があるので油断は禁物です。
ケースに入っているとはいえ、保管場所には気を遣う必要があります。
グレードとは、コイン1枚1枚に付けられる絶対的な評価のことです。先ほど、数字が大きいほど評価が高いと言いましたが、コインによって数字の価値は変化するので注意が必要です。
具体的には、モダンコインとアンティークコインでの数字の価値です。モダンコインでは70評価が当たり前となっています。というのも、発行された瞬間に鑑定に出されるケースが多いのでこのような結果になると言われています。
一方、アンティークコインでは65や66評価のものも多数見られます。
何十年、何百年も前に作られたコインなので、当然キズや汚れは付いています。そのため、「最高評価66:現存3枚」のような場合もあるのです。綺麗なだけがコインの価値を決めるのではない、ということですね。
また、鑑定が済んだコインは不必要にスラブケースから出さないようにしましょう。先ほど述べたように、スラブケースは強度があり、キズや汚れ・指紋などからコインを守る役目があります。
ケースから出してしまうと、汚れる可能性があるだけでなく、鑑定の価値が保証されなくなってしまうのです。簡単に言うと、偽造の疑いがかけられるということです。
ケースから出さない限りは鑑定の価値が保証されるので、むやみに出さない方がよいでしょう。
グレーディングとは、国際的に認められた第三者によるランク付けのことです。世界各国に様々な鑑定機関が存在しますが、そのなかでも特に有名なのが「NGC」と「PCGS」です。両社ともアメリカで誕生した会社で30年以上の歴史があります。
グレーディングを行うことで、真贋、コインの状態、希少価値が客観的に判定されます。また、鑑定が完了したコインはプラスチックケースに入れられて返却されるので、保存が容易になるというメリットもあります。
さらに、評価が付くことで買取金額が上昇するということもしばしば。
ぜひお手元に金貨やプレミア貨幣がある方は、グレーディングを依頼してみてはいかがでしょうか。
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